振り下ろされる大きな爪をかわすと、
長剣で魔物の腹を横に薙ぐ。
熊に似た巨体がゆらぎ、ついで地面に倒れる。
念のために死体に剣を突き立て、やっと一息つく。
刀身についた血を拭おうとしたところで、
右手の人差し指にはめた指輪が青く輝いた。
この指輪は旅立ちのときに天使様から与えられたもので、
光の色によって色んな情報を教えてくれる。
青い光はレベルアップの印だった。
その淡い光を見ていると、背筋がぞくりと震える。
うっとりするような幸福感がやってくる。
自分が成長できたとわかるのが嬉しい。
この恍惚感はそういうことなんだろうと思う。
きっと……きっとそうなんだ……他に意味なんてない。
そろそろ街に戻ろうかな、と考える。
経験値稼ぎのために街を出てからもう一週間以上経つ。
持ってきた食料も少なくなって、野営も難しい。
それに……街に残してきた仲間も気になる。
仲間の魔法使いと僧侶の姿がぱっと頭に浮かぶ。
でも、こみ上げてくるのは懐かしさとは違う。
もっと卑猥な……あさましい欲望。
想像のなかで、彼女たちが服を脱ぎ裸になる。
その柔らかな肉体を思って肉棒が固くなる。
この一週間は自慰さえしていない。
だから仲間に性的なものを感じてしまうのも、
仕方ないことなんだ……そうなんだ……。
内心でそんな言葉を繰り返しながら、
街へと向かって歩き出す……。
* * *
宿の部屋に戻ると、魔法使いがベッドに腰かけて
手紙らしきものを読んでいた。
「ああ、お帰りなさい、勇者様」
僕に気づいて、魔法使いが微笑む。
妖艶という言葉がぴったりくる笑い方だった。
手紙をつまんでいるほっそりとした指や、
裾の長いローブからわずかのぞく白い足首、
そして大きくはだけた胸元。
そんなところにばかり視線が行ってしまう。
見てるだけでペニスに血が流れ込みはじめる。
あわてて背を向けて、部屋の隅に荷物を置く。
剣や道具袋を置き、重い鎧も脱いでいく。
「僧侶は?」
「買い出しに行ってるわ。
……なぁに? あの子がいなくて残念だった?」
鎧を脱ぎ終わったところで、背中から抱きつかれる。
柔らかい感触と甘い匂いに、ペニスがさらに固くなる。
悟られないように腰を引くけれど、
そうするといよいよ彼女の身体と密着してしまう。
「ねえ勇者様、なにを期待してたの?
私だけじゃなくて、あの子にもここを触ってほしかった?」
背後から魔法使いの手が伸びてきて、
ズボンの上から股間をさする。
肉棒と一緒に身体が震えて、それだけで射精しそうになる。
「んふ……可愛らしい反応。
一週間ぶりで溜まってるの?
そうよね……ずっと戦いっぱなしだったんでしょう。
今日はたっぷり癒してあげるからね」
「……だめ……だよ。
もう……やめようよ、こんなこと……。
僕たちは、魔王を倒しに……行かないと」
必死に抵抗の言葉を放つ。
だけど、声に力がこもってないのが自分でも分かる。
僕の肩に魔法使いのあごが載せられる。
首筋に彼女のしっとりとした頬が触れる。
「あら、もちろん私もそう思ってるのよ?
ただ……魔王を倒すにはとっても強くならないと。
そのために勇者様の力が必要なの。
でないと……また仲間が死んでしまうもの」
口の中に苦い味が広がる。
死んでしまった仲間……武闘家の女の子が思い出される。
いつも明るくて、パーティのムードメーカーだった女の子。
だけど彼女は冒険の途中で殺されてしまった。
狼の魔物にはらわたを食い破られ、
回復魔法も追いつかないままにあっけなく死んでしまった。
「また私たちが死んでしまったら、勇者様も困るでしょう?
仲間のいない勇者なんて滑稽だものね。
だから、私たちはもっと強くなりたいの。
どんなモンスターに襲われても平気なぐらいに。
そのために……勇者様の力を今日もわけてね」
慣れた手つきで、魔法使いは僕の下半身を露出させていく。
醜くそりかえったペニスが空気にさらされる。
「ほら、勇者様だって期待していたんでしょう?
べつにいけないことをするわけじゃないのよ。
ただ、勇者様の力を私たちが分けてもらうだけ。
これはそう……一種のトレーニングみたいなもの。
そうでしょう?」
違う、と頭では分かってる。
だけど、ペニスに絡みつく指を見ているとなにも言えなくなる。
黒い手袋をはめた十本の指が肉棒の上を這い回る。
まるで下等な生物にペニスを食べられているみたいだった。
こうやって……仲間と淫らな行為にふけるようになったのは、
武闘家の女の子が死んでほどなくのことだった。
その頃、僕たちはある塔で一冊の魔術書を見つけた。
そこに書かれていたのが、仲間の力を吸い取る禁呪だった。
魔法使いと僧侶は……この呪文の虜になった。
命を危険にさらすような戦いをしなくても強くなれる、
その魅力に二人は取りつかれてしまった。
以来、僕は精液と一緒に力を吸われつづけてる……。
「なぁに、難しい顔をして。
勇者様だって仲間が強くなるのは嬉しいでしょう?
しかも、そのたびにこんな気持ちいいことができるのだもの。
なんにも悪いことなんてないのよ?」
魔法使いが口のなかで例の禁呪を唱えはじめる。
止めなきゃいけない。
もうこんなことはやめようって言わなくちゃ。
二人はもう十分にレベルは上がってるから、
僕の力を吸う必要がないんだって……言わなくちゃ。
なのに、ペニスをこすられるたびに舌の根が震えて、
はぁはぁ、とみっともない声ばかり漏れてしまう。
手袋のつるつるとした感触が心地いい。
ときおりレースの刺繍がざらざらとこすれるのもたまらない。
呪文の詠唱が終わる。
僕がはめている指輪が、危険を知らせる黄色い光を放ちはじめる。
「さあ……はじめましょう。
今日も勇者様の力をいっぱい分けてね。
それこそ最後の一滴までね……」
ペニスをまさぐる指の動きに、ぬるぬるとした感触がまざる。
いつのまにかカウパーも溢れだしていた。
黒手袋の一部がさらに濃く変色しているのが見える。
竿がしごかれるたびに、じゅぷ…ちゅぷ…と音がする。
「ふふ……やらしい音がしはじめたね。
ん、聞こえないふりするの……?
じゃあ、もっと近くで聞かせてあげようか」
…じゅぽっ…!と大きな音が耳のなかで響く。
魔法使いの舌が、僕の耳の穴を犯していた。
耳穴の内側があたたかい舌で舐めまわされる。
「あはぁ…っ…勇者様の耳垢、すごく臭いわよ……。
でも仕方ないわよね……ずっと戦いつづけてたんだから。
本当に頑張りやさんね、勇者様は。
でも、どうしてそんなに頑張るのかしら。
……ああ、そうそう魔王を倒すためよね。
他に理由なんてないものね。
一刻も早く私たちと、なんて……まさかそんなこと……ねえ?」
なにもかも見透かしたような口調で、魔法使いが囁く。
濡れた耳穴に吐息がかかり、背筋がぞくりと震える。
「勇者様のおちんちん、いつもよりもびくびくしてる。
久しぶりで我慢できないのかな?
それとも、耳を犯されながらしこしこされるのがいいの?」
耳の縁がじゅぷじゅぷと音を立てながら舐められる。
かと思うと、耳たぶが柔らかい唇で甘噛みされる。
「どくどく脈打ってるのがわかるわよ……。
もう出ちゃいそう?
命がけで魔物を倒して手に入れた力なのに、
ちょっと指でさわさわされただけで漏らしちゃうんだ。
ふふ……私はもちろんそれでいいけど」
本当にに今にも射精してしまいそうだった。
射精感をこらえるたびに、ペニスの根元がひくつく。
もう……この快感に身をまかせてしまいたい。
なにもかも忘れて、あたたかい肉に身体を預けたい。
だけどそう思うたび、指輪が僕を非難するみたいに明滅する。
あの優しくて綺麗な天使様の顔が思い浮かぶ。
天使様が軽蔑した表情で僕を見つめているような気がする。
「ん……思ったより耐えるのねぇ。
もしかして、少しでも長くよがっていたいの?
でも大丈夫よ……いっぱいレベル上げてきてくれたんだから
少しぐらい出しちゃっても大丈夫。
何回だってびゅーびゅー射精できるわよ。
だから、ほら……」
亀頭が、両手で上下から亀頭を挟みこむ。
そしてそのまま、団子でもこねるみたいに
ペニスの先端を押し潰しながらかき回す。
「…んっれ……それ…だ、め………やめ…て…ぇ…」
手袋中にこびりついたカウパーのぬるぬると、
ペニスがこすれる摩擦熱で、
まるで先っぽだけ膣内に入れたみたいに錯覚するほど。
「あらあら、腰が砕けちゃってるわよ?
もう立って入られないぐらいに気持ちいいの?
だったらほら、ちゃんと壁に手をついて……」
魔法使いに促されるようにして、部屋の壁に手をつく。
体重がかかるたびに、薄い壁がぎしぎしと音を立てる。
「ね……きっと宿屋に泊まってる人、
なんの音だろうって思ってるわよ?
ベッドの上でいやらしいことしてるって思われてるかも。
でもホントは、手でちょっとこすられてるだけなのにねぇ」
涙がにじんで視界がぼやける。
壁がさらに軋んだ音を立てる。
たぶん……この宿にいる人たちはみんな、
僕たちが低俗な行為にふけっているのを知ってる。
さっきだって、帰って来た僕を見て、
宿の受付の女の子は侮蔑の表情を浮かべてた。
隣室の旅芸人の踊り子は、僕に会うといつも目を伏せる。
欲望と快楽に流される屑だってみんなに思われてる……。
「悔しい? 恥ずかしい?
でもいいじゃない、周りにどんなふうに思われたって。
これは仲間を強くする神聖な儀式で、
ただその過程がふしだらに見えてしまうだけ。
そうでしょう?」
魔法使いがわざとらしく身体をこすりつけてくる。
僕の背中で、彼女の胸が変形するのがわかる。
ペニスから片手が離れ、背後から服の裾がめくられる。
肌が空気に触れるひんやりとした感じが一瞬あって、
でもすぐにあたたかさに覆われる。
「こうやって可愛い仲間のおっぱいをこすりつけられるのも、
儀式の一環だから仕方ないのよね。
もちろんそれで射精してしまっても、仕方ないことなの。
ね……私の服もめくれちゃった。
久しぶりのおっぱいの感触はどう?」
彼女の生乳が直接背中に触れている。
そのことを意識した途端、射精感が弾けた。
「……あ…あぁ……あ、あぁ…っ…!」
僕が子供みたいに情けない声を上げるのと同時に、
魔法使いがペニスの先端を両手で覆う。
……ずちゅっ…!……びゅちゅっ……ぶじゅっ……!
魔法使いの手のなかに精液が勢いよく放たれる。
肉棒が跳ねるたびに亀頭がかすかに手袋とこすれる。
その感触がたまらなくて、自分から腰まで振ってしまう。
気づけば、魔法使いの黒手袋の上に
白く濁った液体がいっぱいに溜まっていた。
その汚れた両手が、ペニスからそっと離れていく。
「じゃあ……いただきます」
振り向くと、魔法使いが手袋にこぼれた精液をすすっていた。
両手を口元にあて、白い粘液を飲み込んでいく。
じゅるじゅると卑猥な音がする。
形の良い唇がてかてかと光ってる。
また……ペニスが上を向きはじめる。
それを見て、魔法使いがにんまりと笑う。
「そうよね……まだまだ出したいのよねぇ。
せっかくたくさんレベル上げてきたんだもの。
思う存分気持ちよくなって、そして私たちを強くしてね」
薬指についた精液をねぶりながら、彼女は微笑む。
さきほどめくった胸元から、大きな乳房がこぼれてる。
乳首まで丸見えで、見つめずにはいられない。
半勃ちになっていたペニスに血が流れ込む。
性器が激しく勃起する一方で、
身体にはかすかなけだるさがある。
指輪が赤く光り、レベルの低下を告げている。
わずかに筋肉が落ちたのも感じる。
意識にも薄くもやがかかってる。
……でも、まだ大丈夫なはず。
僕はためしに何度か拳を握ってみる。
まだまだ力が残ってるのを感じる。
レベルだって、1つか2つしか下がってない
このぐらい、明日にでもすぐに上げられる。
だから……もう少しぐらい大丈夫。
背中を押されるようにして寝台に近づき、そのまま倒れこむ。
柔らかい羽毛の感触に身体が溶けるような気がする。
幸福感がゆっくり広がって、
このまま眠ってしまいたいような気持ちになる。
「仲間に射精させてもらって、ふかふかのベッドに寝転んで。
本当に幸せそうね、勇者様。
でも……まだまだ幸せになりたいわよね?」
肩をつかまれ、身体が仰向けに転がされる。
ほっそりとした腕からは想像できない力強さだった。
彼女のレベルは……一体いくつになっているんだろう。
今まで数え切れないぐらいに魔法使いや僧侶と交わった。
力を吸われるたびにまたレベル上げをし、また吸われた。
その吸われた力の総量を想像して、一瞬寒気すら走る。
もしかしたら……魔王だって簡単に殺せるぐらいに…………。
「また難しい顔してるわね、勇者様。
いまはなんにも悩まなくていいのよ?
ぼうっとした頭であへあへ喘いでいいの。
あなたの力をぜんぶ……ここでもらってあげるから」
ローブの裾がゆっくりとめくり上げられる。
下着もつけていない秘所を見せつけるように腰が揺れる。
やがてローブの裾がまた下ろされて……それと一緒に
魔法使いの腰がゆっくりと落ちてくる。
ローブの薄布の向こうで、
ペニスが肉に飲み込まれていくのがかすかに見える。
ねばっこくあたたかい感触が性器にまとわりつく。
たちまち射精しそうになる。
んぁ…と気持ちの悪い声が漏れてしまう。
「なぁに、変な声あげて?
もう出したくなっちゃった?
出してもいいけれど……勇者様の力を吸いきったら
今日のお楽しみはおしまいよ?
そうなる前に、もっとこの身体を味わっておいたら?」
魔法使いは僕の手をとり……胸にふれさせる。
一度触ってしまうと、もう止められなかった。
手の平のなかであたたかい乳肉が変形する。
指と指の隙間にまで肉が入り込んでくる感触がたまらない。
「そう、いいのよ……もっといっぱい触っても。
おっぱい触りながら射精したら、とっても気持ちいいものねぇ。
きっといっぱい精液も出て、私もいっぱい力をもらえるもの。
そのぶん勇者様はまた弱くなってしまうけれど……いいわよね?」
よくないけど……でもレベルぐらい……またすぐに上げればいい。
この柔らかい胸をまさぐっていられるなら……そのぐらいかまわない。
宿に戻れないあいだも、何度もこの巨乳を思い出して自慰にふけっていた。
……むにむにしてて……あったかくて……あぁ……。
手のひらから伝わる快楽に脳が震えて、
そしてそれに合わせるように魔法使いの膣内が蠢く。
「……あ……出る………あっ…あ…ぁ……!」
腰の奥が収縮し、尿道を精液が流れていく。
魔法使いのなかにびゅるびゅると精液をぶちまける……。
「また出しちゃったわね、勇者様。
……ああ、言い方を間違えた。
また出してくれたのね……だったわねぇ。
ねえ……勇者様?」
問いかけられても、なにも答えられない。
射精の幸福感で、表情がだらけてしまうのが自分でわかる。
「んふ……いつもの勇者様らしい顔になってきた。
じゃあ、さらに素敵な表情にしてあげる……」
言いながら、魔法使いが腰を揺らしはじめる。
射精しても半勃ちを保っていたペニスが、
ぬるぬるの肉にこすれてまた固さを取り戻していく。
力を吸い取られたせいか、抵抗する気力が起きない。
ぬるま湯に身体を浸しているような、ゆるやかな恍惚感が広がる。
ひんやりとしたシーツが肌にこすれるのさえ心地いい。
なんだか甘い匂いもして、よだれが口のなかにたまってくる。
精液がとろとろと、ゆったりと流れ出てくるのを感じて、
気がついたらまた射精している。
何度も、何度も精を魔法使いのいやらしい身体に放っていく……。
……もう十回は射精しただろうか。
ぼんやりとだけれど、自分の力が半分以上失われたのが分かる。
魔法使いの淫靡な笑みばかりが視界に広がる。
どくん、とまたペニスが脈打ち、精液が漏れ出ていく。
あたたかい泥に浸るような気持ち良さのなかで、
不意に、がさがさとしたものが肩に触れる。
それは先ほど魔法使いが読んでいた手紙だった。
羊皮紙の上に書かれた文字を、何の気なしに視線が追う。
『私たちの村は魔物から生贄を要求されつづけています。
毎日ひとりずつ、村の娘が連れ去られていきます。
この手紙を書いている私も、一週間以内には殺されるでしょう。
勇者様、どうか私たちの村に』
そこまで読めたところで、魔法使いに手紙を取り上げられる。
「あぁ、これ……処分するの忘れてた」
かるく呟くと、彼女は指をぱちんと鳴らす。
指先から炎が広がり……みるみるうちに手紙が灰になる。
身体に降りかかる灰の熱さで、意識が急にはっきりする。
「その手紙……」
「気にしなくていいのよ、勇者様。
下手な正義感を振りかざして助けになんていったら、
殺されてしまうかもしれないもの。
魔王を倒すはずの勇者様が死んでしまったら大変よ?
だから……あんなものは忘れてしまえばいいの」
「そんなのできるわけ……!」
魔法使いの腰をつかみ、身体を持ち上げようとする。
だけど、いつのまにか僕の腕は女の子みたいに細くなっていて
彼女をどかすことすらできない。
「なぁに、助けに行きたいの?
でも……そんなひ弱な身体で魔物を倒せるのかしら?
勇者様はそうやって無駄に暴れて、
良い人のふりをしておきたいだけなんじゃない?
……違う?
じゃあ私の目を見て、はっきりとそう言える?」
魔法使いが僕の顔を覗きこむ。
切れ長の瞳があやしく光るのが見える。
とても楽しそうに笑ってる。
「僕は……勇者なんだ。
魔王を倒すとか、そういうこと以前に……弱い人を放って………」
「どうしたの、勇者様?
最後まで言ってくれないと分からないわ。
言葉なり態度なりで、はっきり示してくれないと。
勇者様がどうしたいのかちゃんと教えてくれたら、私は従う。
本当よ?
だから……自分に正直になって」
(助けに……行くんだ……!)
必死にそう叫んだ。叫んだつもりだった。
だけど声は少しも出ていなかった。
唇は固く閉じられたままで、なにも言えなかった。
それどころか僕は……魔法使いをベッドに押し倒していた。
彼女は僕の行為を手助けするように後ろに倒れこむ。
ローブがめくれて、愛液と精液でぐちょぐちょにぬれた秘所が見える。
その肉壷に躊躇なくペニスを突き入れる。
「あはぁ……勇者様から犯してくれるの?
さっきまでの正義漢ぶりはどこにいったの?
でも……そうなんだ。
村人を助ける気高い勇者なんかじゃなくて、
仲間にさえ欲情して犯さずにはいられない強姦魔。
それがあなたの本性なのよねぇ」
(違う、こんなことしたいんじゃない、違う……)
何度も叫ぶけれども、どうしても声にならない。
身体が自分の意思とは無関係に魔法使いを犯していく。
肉棒が彼女のなかをごりごりとこする。
思い通りに動かない身体なのに、感覚だけはちゃんとある。
カリ首を思いきり膣壁にこすりつける。
脳が溶けていくような陶酔感に満たされる。
また射精にそなえて、ペニスの根元が震えはじめる。
「いまの勇者様、最高の表情をしてる……。
もう自分がよがることしか考えていない目をしてる。
一生懸命に腰振っちゃって………あら……出ちゃった?」
とくとくとペニスの先端から精液がこぼれては、
魔法使いのなかに飲み込まれていくのを感じる。
(どうして……こんなことしてちゃ…だめ…なのに………)
「ふふ……種を明かしてあげましょうか。
じつはね、さっき勇者様に魔法をかけてあげたの。
自分の欲望に素直になれる、魅了の魔法を。
だから、勇者様の身体はもう快楽しか求められないの。
……でも、私のせいにしてはだめよ?
私はただあなたを素直にさせただけ。
結局は、勇者様は私ともっとやらしいことがしたかった。
そうなんでしょう?」
(違う…違う……!)
だけど内心の絶叫とは裏腹に、僕の頭はこくこくとうなずいてる。
頭を振るたびによだれが飛び散り、魔法使いの胸にかかる。
白い乳房が唾液で汚れるのを見ながら、また精がこぼれる。
「さあ、ずっとこうしていましょうね。
勇者様の力がすっかりなくなるまで、
いやらしい時間を続けましょうね……」
(そんなの……だめ……)
最後の気力を振り絞り、魔法を打ち破ろうとする。
だけど、自分のなかの魔力がもうほとんど感じられない。
「ねえ……わからない?
勇者様はどうしようもなく弱くなってしまったの。
いま助けに行っても、無残に殺されてしまうだけ。
そんなの嫌でしょう? 良くないでしょう?
勇者様は、いつか魔王を倒さないといけない。
ここで死んでしまってはいけないの」
このひ弱な身体で魔物に挑み、なぶり殺しにされる。
そんな光景がありありとイメージできる。
そうやって殺される戦士を何人も見てきた。
僕は……あんなふうにはなりたくない。
それよりは、このぬるぬるでやらしい肉に包まれて。
…あぁ……気持ちよく射精して……それで?
それで……そうだ………これで魔法使いはまた強くなったはずだし。
今度こそレベルを上げたら……魔王を倒して…世界を平和にして。
……うん…それでいい……それでいいじゃないか……。
「さあ……いまはなにもかも忘れましょう。
難しいことは考えずに、
二人でぐちゅぐちゅやらしいことしようねぇ……」
ペニスが魔法使いのなかでまた膨らむ。
裏筋がひだにこすれるたびに、脳がじんわり痺れる。
魔法使いの両腕が僕の背中に回される。
身体がさらに密着し、結合部がくちゅくちゅと音を立てる。
「ぜんぶぜんぶ……すすってあげる……」
頭が引き寄せられる。
魔法使いの唇に口づける。
ぬめった舌が伸びてきて、歯の表面をねぶられる。
唾液がじゅるじゅると吸われる。
膣がきゅうっと大きく収縮する。
射精する。
精液がどぽどぽと吐き出されていく。
唾液が溢れて、二人の唇のあいだからこぼれ落ちる。
身体中の体液がすべて流れ落ちるような感覚。
力のなにもかもを失って、赤ん坊に戻っていく気がする……。
* * *
宿屋の階段を上がってくる足音がする。
扉が開き……仲間の僧侶が姿を見せる。
ベッドで粘液まみれで横たわる僕らを見て、
一瞬だけあ然として……それから拗ねたような表情になる。
「……ずるい、です」
僧侶が近づいてきて、肉棒にこびりついた精液を指ですくう。
それを口に含みながら、不満そうに言う。
「私の分も残しておいてほしかったのに……」
すでに僕は力のすべてを失っていた。
せいぜい雑魚スライムぐらいしか倒せないような、
そんな弱々しい勇者に戻っていた。
「勇者様ったら、もう出しつくしちゃってるなんて……。
残しておいてくれたら、私も色んなことしてあげたのに」
その言葉に、ペニスがまたかすかに反応する。
僧服の下に隠れた淫らな身体を思い出してしまう。
だけど、僧侶はペニスを小さく弾いて、いたずらっぽく笑う。
「だめですよ、おちんちん勃たせたって。
勇者様を気持ち良くしてあげるのは、
力を分けてもらうために仕方なくしてることなんですから。
理由もなくそんなことしたら、神様に怒られちゃいます。
私にしてほしかったら……またレベル上げてきてくださいね」
僧侶の言葉に魔法使いもうなずく。
「そうよ。勇者様が強くなったら、またしてあげるから。
だから……頑張ってね」
僕は……うなずく。
頬がどうしようもなくにやけてしまう。
ああ……早くレベルを上げてこよう。
そしてまた二人を強くして……あの身体を犯しつくして……。
それでも足りなかったら……もう一度。
そのあとだって……何度でも何度でも……。
この子たちにいくらでも射精してあげるんだ……。
いつか…いつの日か……魔王を倒すその日まで……永遠に…。
END