占いとらっぷ

「そこのお兄さぁん、おひとつ占いいかがですか?」

たんなる客引きだろうと無視しかけて、
少し意外な言葉に足を止めてしまった。
……占い?

繁華街からほんのちょっと離れた街角。
終電にはまだ少しという時刻。
声をかけてきたのは、いかにも占い師という格好の女性だった。
黒っぽいゆったりとした服に、頭巾のようなフード。
肩からは濃い紫色のショールをかけてる。

彼女は小さな椅子に座っており、
その前には、ごく小さな机が置いてある。
机にも紫の布地がかけられ、地面近くまで垂れていた。

「あ、目が合っちゃいましたねー?
 これはきっともう運命ですよ。
 貴方が私に占われる運命なんですよぉ…♪」

ただ、占い師然とした見た目とは裏腹に、
女性自身の雰囲気は、なんというか……ぽわぽわ、していた。
髪にもゆるくウェーブがかけてあり、
ミステリアスという空気からはほど遠い。

「えと……占いって、種類はなんですか?
 こういう場所でやるのだと……手相とか?」

「こう見えて私、大抵のものはできるんですよー?
 手相でもいいですし、人相でもOKです。
 タロットとか、水晶とかでもいいですよ……♪」

なんでもできると言われると、かえって胡散臭く見えてしまう。
やっぱり無視して帰った方がいいかな……。

「あ……いま怪しい、って思いましたね?
 えへへ……そのぐらい、占わなくても分かりますよー。
 じゃあそうだ、私がお兄さんを占って、
 満足できなかったらお代はいらない、でどうでしょう?」

「……………。
 ……まあ、そういうことなら」

あまり占いとか信じてないし、当たるとも思えない。
それでも話に乗ったのは、この占い師の女の子が
思った以上に可愛い子だったのも、あるかもしれない。
お近づきになれるかも、と少しだけ思ってしまった。

「やったー♪
 はい、じゃあどうぞ座ってくださぁい」

言われるままに、机を挟んで彼女の向かいに座る。
本当に小さな机で、学生の頃に教室で使っていたものより、
さらにコンパクトなぐらいだった。
彼女の顔が一気に近くなり、ちょっとどぎまぎしてしまう。

それに……この子の身体つきもかなりのもの、だった。
黒っぽい服の上からでも分かるぐらいに、胸も大きい。
気をつけないと、つい視線が胸元に流れそうになる。

「それじゃ……最初は手相からにしましょうか。
 右手を開いて、机に載せてもらえます?」

言うとおりに手のひらを開き、小さな机に置く。
女性は小さなペンライトとルーペを取り出し、
こちらの手を照らしながら、ふんふん、とうなずいてる。

「なにか……分かりました?」

「そうですねー、色々と分かりますよぉ♪
 でも……人相もあわせて確認してから
 説明することにしましょうかぁ。
 あ、そうそう、手はそのままにしてくださいね…♪」

女性はペンライトを仕舞い、ルーペを僕の顔に向ける。
身を少し乗り出してきたせいで、指が彼女の服に擦れる。

「ふむふむ………なるほどぉ…♪」

目元をとくに楽しそうに観察される。
女性の顔が間近に来て、吐息が吹きかかってくる。

(それに……手に……胸が………)

よく観察しようとしてなのか、
女性が少しずつ身を乗り出してくる。
そのせいで机に載せた手に、彼女の胸が何度も触れる。
まさかとは思うけど、ブラをしていないのか、
妙にやわらかく生々しい感触が指に当たる。

「あ、手はそのままですよ?
 さっき確認した線の位置が分からなくなりますから。
 なにがあっても、そのままで…♪」

たぷ…たぷ…という甘い弾力が手の上で揺れる。
もう、おっぱいを手のひらで支えてるような状況だった。
やっぱりノーブラみたいで、
指先が乳肉に沈み込む感触が分かってしまう。

(……ぅ……まずい………)

ペニスがゆっくりと持ち上がってくる。
一度意識してしまうと、もうだめだった。
たちまち血が流れ込み、ズボンの中が窮屈になる。

「くすっ……なに慌ててるんですかぁ?
 人相が分からなくなりますから、
 ちゃんと私の目を見ててくださいねぇ…♪」

女の子がルーペの位置を少しずつ変えながら、
僕の目元の辺りをじっと観察する。
そのあいだずっと、乳房がむにむにと柔らかくて。
それに……女の子の唇がほんの数センチ先にあって。

(考えるな………考えちゃ…だめ……なのに………)

いっそ目を閉じて、視覚を遮断したかった。
だけど、観察されてるからそれもできない。
綺麗な女の子の顔が間近にある。
あたたかい吐息が吹きかかって、僕の顎が濡れていく。
長い髪からは、シャンプーの良い匂いがする。

ペニスはもう完全に勃起してる。
たった二、三分しか経っていないはずなのに、
もう下着の中がカウパーでぬるぬるしてる。
しかも……射精感まで膨らみはじめてる。

「うんうん……とってもよく分かりましたよぉ♪」

目の前で、女の子がにっこり微笑む。
下腹部に力を入れて必死に快感を押さえ込みながら、
なんとか平静を装って聞き返す。

「なにが……分かったんですか…っ…」

「いっぱい分かりましたけど、そうですねー。
 お兄さんがいま考えてること、当ててみましょうか。
 ふふっ……えっちな気持ちになってるんですよね♪」

一瞬、なにを言われたのか分からなかった。
その意味が理解できたときにはもう、
女の子が僕のズボンの膨らみを撫でていた。

「………ひ……ぅ……っ……」

「ほぅら……やっぱり、もうガチガチです♪」

ズボンと下着の上から、ペニスの先端が撫でられる。
女の子の指が、布地越しに亀頭表面をくるくると撫で回す。
カウパーがどんどん染み込んで、
指で擦られる感触がはっきりしてきて……っ…。

「ぬるぬるも、こんなに出てきますよぉ。
 やっぱり、私の占いは大当たりでしたね…♪
 お代もちゃんと、くださいね?」

「こんな……卑怯なの……認めるわけには………」

「くすっ……認めなかったら、どうするんですか♪
 いまから逃げちゃうつもりだったり?
 それでもいいですけどぉ……私、叫んじゃいますよ?
 この人、痴漢ですぅ……って♪
 ズボンをこんなにしてる人は、一発逮捕ですよー」

すでにズボンにはカウパーの染みが、
傍目からでもはっきり分かるくらいに広がってた。
たしかに、これじゃ言い訳のしようがない。
それどころか、気を抜いたら射精までしそうだった。

「わかっ……た。代金なら……払うから……、
 だから……もう………やめて………」

「だめですよー♪
 口ではそんなこと言って、本心は違いますよねぇ?
 占い師の私には、ぜんぶお見通しですよー。
 本当は………びゅーびゅーしたいくせに♪」

女の子が机の上に身を乗り出したまま、
ルーペを持っていない手で、ジッパーを下ろしてく。
粘液にまみれたペニスが、夜の冷たい外気に晒される。
……こんなの………誰かに見られたら……っ……。

「きょろきょろしちゃ、だめですよー。
 大丈夫ですよぉ、お客さんのプライバシーを守るのも
 お仕事のうちですからぁ……♪」

女の子が机にかけてあった垂れ布をめくり上げ、
僕のペニスと膝の上に覆いかぶせる。
ついで、女の子自身は元の椅子に座り直して、
机の隙間から手を伸ばしてくる。

「おちんちん、すごく硬いですねぇ…♪
 こんな状況なのに……興奮しちゃってるんですよね?
 お兄さん、そういうのが好きなんでしょう。
 ええ……もちろんそれも占いどおりです」

垂れ布の下で、ペニスに女の子の指が絡みつく。
カウパーを鈴口からすくい上げては、
竿に塗りたくなりながらゆったりと扱いてくる。

しかも扱かれるたびに、ペニスを隠してる垂れ布が
竿全体をしゅるしゅると擦ってく。
布の裏地はビロードのように触り心地が良い生地で、
それがまた射精感を膨らませてく……っ……。

「とっても気持ちよさそうな顔ですねー♪
 もう占いなんかしなくても、
 射精間近だって分かっちゃう顔ですよぉ」

女の子の人差し指と親指が輪っかになって、
カリ首のところを執拗に何度も往復する。
布地が揺れて、竿の根元をさわさわと撫でる。
絶頂へとどんどん追いつめられてく。

「このまま机の下で、びゅびゅーって
 射精しちゃっていいですからねぇ……♪
 でもあんまり変な声は出しちゃ、だめですよ?
 周りに気づかれちゃったら、いけませんからぁ」

たしかに周りには、まだ人通りがあって。
いくら布で多少隠れてるとはいっても、
近寄って来られたら、すぐにばれてしまう。
なのに、なのに……っ……。

「占いしてもらってるだけのはずなのに、
 じつは、おっぱい揉み揉みしながら、
 おちんちん扱かれてるなんてばれたら……大変ですねぇ♪
 でも、それが怖いのに、それが気持ちよくてしょうがない。
 そうですよね、ヘンタイお兄さん……♪」

女の子がくすくす笑いながら、
机の上に乗せたままの自分の巨乳を
僕の手のひらに擦りつけるようにしてくる。
むにゅむにゅとした甘い柔らかな感触が、
ぐにゅ……っ……と重量感を持った快感に変わる。
同時に、女の子の指が裏筋を一撫でして。
……ぁ………あぁぁあぁ…っ……!

……びゅぶっ……! ずびゅっ……びゅうぅっ……!

すべすべの女の子の手の中に、
精液がびゅくびゅくと迸っていくのが分かる。
ペニスにまとわりつく布地にも、
容赦なく精液が付着してく。

「……ぅ………ぁ……あぁ……っ……!」

息を殺しながら、それでも射精の快感に喘ぐ。
視界がちかちかと明滅する。
気持ち良さの波が引いては押し寄せてく。

何度もペニスが震えて、
それでも少しずつ勢いが収まってくる。
女の子の手が、竿を一撫でしてから離れてく。

「ふふっ……本当に出しちゃいましたねぇ……♪
 天下の往来で、誰に見られているかも分からないのに
 みっともなく、びゅーびゅーって」

机の下から手を引き抜いた女の子が、
その指と指を広げて見せる。
白く粘ついた精液が、にちゃっ…と糸を引いて伸びる。

「それじゃあ、約束のお代をいただきますね。
 ああ、それと掛け布を汚されちゃいましたから、
 その料金も請求しますからねー♪」

女の子が口にした値段は、
この手の占いの料金としては明らかに高かった。
ただ、ぎりぎり財布から払えないというほどでもない。
何枚かの紙幣を取り出し、手渡す。
逆らえないなにかを……この子に感じてた。

「はい、確かにいただきましたー♪
 どうも、ありがとうございます。
 あ、そうそう……それから初回のお客さんには、
 おまけでもう一つ占いしてるんでしたぁ」

僕の顔をじっと見てから、女の子がにんまり笑う。

「お兄さんは、また私に占ってもらいに来ますよー♪
 ぜったい当たりますから、楽しみにしててくださいね?」

END