Doll Girl

そのドールショップを見つけたのは、たんなる偶然だった。

授業が休講になり、時間を持て余していた。
暇つぶしに大学の周りをぶらついていて、
その途中で奇妙な店を見つけた。

路地裏からさらに地下への階段を下ったところに扉があり、
流麗な書体で「Doll Shop」と書かれたプレートがついている。
僕はなんの気なしに……扉を押した。
 
 
 
ドアを開けると、室内から光がこぼれた。
薄暗い路地裏にいたせいで、明るさに目がくらむ。
何度か瞬きをして光に目が慣れると、
次に視界に入ってきたのは人形たちだった。

室内にはいたるところに椅子やソファが置かれ、
そこに等身大の大きな人形が幾つも横たえられている。
その人形たちをよく見ようとして……息を呑んだ。

「……え…これって…………にん、げん…?」

どこからどう見ても、本物の人間にしか見えなかった。
たとえばソファの端に座る女の子。
制服のブラウスを着て、薄いリップを塗って、かすかに笑ってる。
まぶたは閉じていた。眠っているように見えた。

「いらっしゃいませ」

背後から声をかけられて、慌てて振り返る。
年の頃は30ぐらいだろうか、落ち着いた物腰の女性が
僕の方を見て微笑んでいた。

「驚かせてしまいましたね、ごめんなさい。
 ここの店主をしております、百瀬といいます。
 いかがですか、当店の人形は?」

「これが…人形……?」

ソファに眠る女の子の手首をためしに動かしてみる。
手首はもちろん指先までなめらかに動く。
だけど関節の継ぎ目なんてどこにも見当たらない。
なにより……彼女の身体は温かかった。

誘拐、人さらい、犯罪。
そんな単語が次々浮かんだ。
この店はおかしい。逃げないと。
誰か、そう警察とかに通報しないと……。

「ふふ、そう怖い顔をなさらないでください。
 どんなことを考えてらっしゃるか想像はつきますけれど、
 でもこれはあくまでお人形なんです。
 証拠は……そうですね、じゃあ脈でもはかってみてください。
 血が流れていないのが分かりますから」

握っていた女の子の手首に、親指を添えてみる。
脈は…流れていないようにも………思えた。

「ね……血は流れていないでしょう?
 それより、この子たちの触り心地はいかがですか?
 特殊な素材を使っていますから、
 まるで本物の女の子みたいにすべすべなんですよ。
 どうぞよく触ってみてください」

手首に添えた指を……ほんの少し下に滑らせる。
ブラウスの袖がわずかにめくれて、白い肌がのぞく。
彼女の指に、自分の指を絡めてみる。
ほっそりした指の感触に、思わず背筋が震える。

「他のところも、とてもよく出来てるんですよ。
 ……ああ、そうだ。
 もしかしたらまだ人間だと疑ってらっしゃるかもしれませから。
 ためしに、こちらも触ってみてください」

女店主がすっと近づいてきて、女の子……の人形…に手をかける。
それからブラウスのボタンをゆっくり外していく。
胸元が少しずつはだけ…やがて淡い青色のブラがのぞく。

「こちらを触ってみてください。
 心臓が動いていないのが分かるはずですから。
 ……ふふ、どうぞご心配なく。
 この子はたんなる人形なんですから」

この子の胸を……触る?
そんなことをして…いいんだろうか。
でも、これは……確認のため…なんだし。
触らないと……分からない………か…。

巨乳というほどではないけれど、
でもたしかな大きさを持った胸に手のひらを近づける。
思い切って……ブラと乳肉の隙間に手を押し込む。
むにゅっ…という柔らかい感触が広がる…!

「…ぅ…ぁ………すご……」

差し込んだ手の上で、乳房がやわらかく潰れる。
かすかに尖った乳首が、手のひらに当たる。
指が乳肉にうずもれるのが分かる。

あまりにやらかくて、あったかくて。
かえってこの子が人間じゃないという気持ちが強くなる。
こんな気持ちいいのは、人間じゃ……ありえない…よ…。

「どうですか、お客様?
 心臓が動いていないのが、お分かりいただけましたか?」

そう言われても、鼓動を確かめるどころじゃなかった。
女店主にばれないように、少しでも、一秒でも長く
このおっぱいをまさぐっていたい。
そのことしかもう頭になかった。

「えっと……少し待って…ください。
 ちょっと……よく分からなくて………」

確認を続けるふりをして、さらに強く胸を揉む。
あぁ……むにむにって……これ…気持ちいい…ぃ…。

とっくにペニスは大きくなっていた。
店主がいなかったら、今すぐこの子にこすりつけたいほどだった。
人間かどうかなんて、もう疑ってなかった。
人間のはずなかった。
人間であっていいはずがなかった。

「どうでしょうか、お客様。
 もしお求め前にもっと人形のことを知りたいのであれば、
 試遊室をお貸しすることもできますけれど」

「……試遊室?」

「ええ。いわゆるプレイルームですね。
 そこででしたら、この子達とどんな遊びでもできますよ。
 着せ替えごっこをしてもいいですし、それ以外のこともなんだって。
 さ……いかがですか?」
 
 
 
     * * *
 
 
 
数分後、僕は小さな部屋にいた。
部屋の中央にはベッドがあり、人形が一体寝かせてある。

さっきまで触っていたのとは違う人形だった。
この人形を使う、というのが試遊室利用の条件だった。

どうしてこの人形があてがわれたのか、理由は知らない。
でも僕に拒否権はなかったし、そもそも断るつもりもなかった。
だって……この子を一目見た瞬間から、
もう犯したくてたまらなくなっていたから。

この子は、僕が知っている女の子だった。
違う、そうじゃない……その女の子にそっくりの人形だった。

中学一年のとき、はじめて好きになった女の子。
好きで好きでたまらなくて、告白しようと心に決めて。
でも夏休みが終わると、彼女は学校から消えていた。
両親の都合で引っ越したのだと聞かされた。

あの当時と変わらぬ容姿で、彼女は眠ってる。
着ている制服さえ、昔と同じものだった。

でも…………この子は人形だ。
だって寝息すら聞こえない。寝返りも打たない。
頬を触っても、眉ひとつ動かさない。
だから人形に決まっていた。
だから……なにをしても…いいんだ……。

僕は服を脱ぎ、ゆっくり彼女に近づく。
ペニスはすっかり反り返っている。
ブラウスのボタンを外す手が震えるけれど、
それでもなんとか全部を外し終える。

ブラウスを左右に引っ張る。
裾がスカートからするりと抜ける。
胸元がはだけて、レース地の白いブラに覆われた
ゆるやかな膨らみが露わになる。

「………っ…」

こらえきれなくなって、彼女の胴にまたがった。
控えめな胸とブラの隙間に差し込むように
ペニスの先端をぐいぐいと押しつける。

ブラがずれて、薄赤い乳首が見える。
鈴口をその突起に必死にこすりつける。
あっというまにカウパーがだらだら流れてきて
少女の胸が透明な液体にまみれる。

はっ…はっ…と醜く息がこぼれる。
下卑た笑みが自分の顔に貼りついてるのがわかる。

ペニスの裏筋に乳首を何度も押し当てる。
よだれがぽたぽたと両胸のあいだにこぼれる。
でも、女の子の人形は顔色ひとつ変えない。
あの頃と同じ、綺麗な顔ですやすや眠ってる。
当時は手を繋ぐことさえできなかった彼女を、
いま好き勝手にしてる……!

よだれがまた唇の端からこぼれる。
射精感が駆け上ってくる。
我慢なんてしようがなかった。

「………ぅ………ぁ……」

とっさに腰を持ち上げた。
自分でも意識しないままに、そのまま腰を突き出す。
彼女の小さな唇にペニスの先を押し当てた、

…びゅじゅっ……ぶっ………じゅぶっっ……!

尿道口から精液が溢れ出す。
唇が見えなくなりそうなほどの大量の精液が、
ペニスからどくどくと流れつづける。
 
 
 
「……ぁ………はぁ……」

ベッドに手をついて、四つんばいの格好で息を吐く。
信じられない量の射精だった。

少女の唇から溢れた精液の一部は、
あごの先から垂れて、いまも鎖骨辺りにぽたぽたとこぼれてる。
あるいは頬をつたって、彼女の髪を汚しているものもあった。

それだけのことをしても、彼女は眠っていた。
精液がこびりついて呼吸さえできないだろうに、
それに苦しむ様子すらなかった。
当たり前だ。だってこの子は人形なんだから。

僕はじっと少女の顔をのぞき込む。
今度はなにをしようかと考えながら、精液まみれの顔を見つめる。
精液がまたあごから、ぽたりと落ち…て…………。

少女の喉が、小さく動いた気がした。

液体を飲み込むときのように、
かすかに喉仏が上下したように見えた。
はっとして喉元に手を当ててみる。
かすかに…………動いていた。

「こんにちは、お兄さん」

女の子のまぶたが開いた。
そして驚いたふうもなく、すべてが分かっているように
優しく僕に微笑みかける。

「………え……だって、人形………え…?」

「そう脅えないでください、お兄さん。
 大丈夫、私は自分のことをちゃんと分かってます。
 私はたんなるお人形さん。
 ただ、少し喋って動けるだけなんですよ」

少女は舌を伸ばすと、唇の周りの精液を一舐めする。

「お兄さんがこれをくれたから、
 少しだけ元気になったんです。
 ん……信じてくれないんですか?」

「だって……そんな…の……」

「まあ、信じてくれなくてもいいですよ。
 どちらにしろ……」

彼女は含み笑いをしながら、そこで言葉を切った。
かわりに指で髪の毛をくるりと巻き取ると、そのまま唇にくわえる。
ちゅうっ…と音を立てて髪についた精液が吸われる。

「ふふ……美味しい。
 ね……もっとたくさんくれませんか。
 お兄さんの…精液」

少女は身体を起こして、僕の首に腕を巻きつける。
逃げようと、思った。思った気がした。
だけど、女の子の吐息を嗅いだ途端、
戸惑いや恐怖感やすうっ…と消えていく。

「ね、怖がることなんてなにもないんですよ。
 私はただの動く性処理人形。
 だから……さっきの続きをしてください」

声に操られるように立ち上がり、
少女の両脚のあいだに身体を収める。
そうだ……べつに心配いらない……。
この子が嫌がってるわけじゃないし……。

女の子がスカートの裾をゆっくりと持ち上げる。
ブラとおそろいの、白いショーツが見えてくる…。

「今度はお口じゃなくて…こっちにください。
 お兄さんのを、たっぷりと……」

再び大きくなっていたペニスを下着にあてがう。
亀頭でショーツをずらすようにしながら、そのまま強引に挿入する…!

「あはっ……来たぁ…♪」

女の子が愉悦に満ちた声を漏らす。
眠っていた少女の清楚な顔はすっかり消えていた。
だけど、それを残念とも感じない。
恋焦がれていた女の子が、自分の性器で快楽に喘いでる。
その様子がたまらない。

「お兄さん、よだれがこぼれてますよ。
 ほら…ちゃんと啜ってください。
 あ、腰を振るのも忘れちゃだめですよ……」

まだ未成熟な少女の膣が、きつくペニスを締め上げる。
まるで人間のものと変わらないあたたかさ。
人形には処女膜はもちろん痛みすらないのか、
少女は快楽に目を爛々と光らせたまま腰を振る。

「どうしたんですか、そんなに目を見開いて。
 もう射精したいんですか…お兄さん?」

女の子の言うとおりだった。
挿入した瞬間から、もう出したくてたまらない。
射精感が腰の奥でどくどく蠢いてる。
でも同時に、この子の中を少しでも長く味わいたくて
唇を噛みしめ、必死に射精をこらえていた。

「お兄さんの気持ち、とってもよく分かりますよ。
 この気持ちよさが終わるのがもったいない。
 ふふ……そう思うのも当然ですよね。
 私みたいな年頃の女の子を思うさまに犯せるなんて
 そんなこと一生に一度しか味わえないようなことですから。
 本当にそうですよね……」

そう言いながらも、少女の動きは止まらない。
広げた足を僕の腰に絡めて、さらに身体を密着させる。
混ざり合った体液が、結合部でくちゅくちゅと音を立てる。
腰を振るたび、めくれたスカートの裾が揺れる。

あの頃好きだった女の子が、僕を見て笑ってる。
その身体を欲望のままに蹂躙してる……。

「お兄さんの目、とろんってしてますね。
 まるで夢が叶ったみたいな嬉しそうな目……。
 じゃあ……その夢心地のまま果ててくださいね。
 なにもかも全部、出してしまいましょう」

少女が手を伸ばして、僕の頬をそっと撫でた。
それを合図にしたように、膣肉がぐにぐにと蠕動する・
ひだが、カリ首や裏筋をぞぞっ…とこすりあげる。
震えるような快感に、唇を噛んでいた力が抜けて…あ…ぁ……。

「……でちゃ…ぁ………あ、ぁ…っ…!」

精液が信じられない勢いで吐き出される。
どくん…どくん…という律動の音だけが頭のなかに響く。
同時に心臓も激しく鼓動を打ち出す。

かすかに快感が遠のいたかと思うたびに、
膣がきゅうっと収縮し、また射精感を引きずり出す。
とく…とく…と精液がいつまでも尿道を流れつづける。
快感とは違うもので、かすかに背筋が震える。

何度も何度もペニスが震える。
びくびくと肉棒が跳ねる力が、少しも弱まらない。
女の子は薄く笑みを浮かべてる。
おかしい…こんなの……止まらな……い……。

「ん……お兄さんのたくさん出てますよ。
 とっても美味しいですよ……これ。
 だからもっと食べさせてください。
 お兄さんの命を削ってでも……ね?」

なにか……まずい……。
止めなきゃ……抜かなきゃ……だけど…。
こんな…気持ちいい穴……抜ける…わけ………。
…あ……ぁ…………。
 
 
 
     * * *
 
 
 
「……ね、そろそろ起きよっか?」

優しい声に呼ばれて、ゆっくり意識が浮上する。
甘い匂いがして、身体のいたるところがあたたかい。
頬に心地のいい柔らかさも感じる。

まぶたを開けると、目の前に胸の谷間があった。
驚いて顔を上げ、僕を抱きしめている女の子の顔を見て、
自分がさっきまでなにをしていたのかを思い出す。
そうだ…僕は……この子に射精…して………?

「ふふ、どうしたのかな?
 お姉さんの顔、不思議そうに見つめちゃって。
 もしかして見とれちゃってるのかな?」

あの女の子だった……でも違っていた。
たしかにあの少女の顔なのに、顔つきが違う。
あどけない感じが抜け、かわりに艶っぽさが増している。
一言でいえば、成長したみたい、だった。

「うんうん、なに考えてるか分かるよー。
 そして想像は大当たり。
 キミが幸せそうに寝てるあいだに、私はちょっぴり大きくなったの。
 ふふ、いまでは私の方がお姉さんだよ?」

その表現に違和感を覚える。
成長したといっても、彼女は高校生ぐらいに見える。
彼女の方が年上だとは……。

「くすっ……まだ気づいてないんだ。
 ね、自分の身体、よーく見てみた方がいいよ。
 ほら、キミはもうお姉さんよりちびっこなんだよ?」

嘘だ。ありえない。
とっさにそう思った。

……だけど本当だった。
僕はいつのまにか裸になっていて、
そのせいで変化がはっきりと分かってしまう。

腕が肉付きの少ないほっそりしたものに変わり、
手足の長さもいくらか短くなってる。
錯覚では片づけられないくらい、明らかに幼くなってた。
いまは僕自身が中学生ぐらいになって、
ベッドに座った彼女の身体に抱きついていた。

「つまりね、私がキミの命を吸っちゃったの。
 だからキミは小さくなって、かわりに私は大きくなった。
 ね、単純でしょ?」

「……そんなの…できるわけ……」

「ふふ、ごめんね……ぜんぶ本当なの。
 でもキミが悪いんだよ?
 小さな女の子のなかにどぷどぷ射精しちゃうから。
 だから精液と一緒に命を吸われちゃったの。
 こういうの、自業自得って言うんだよ」

くすくす笑いながら、彼女は僕の首に手を回す。
顔が近づいてきたかと思うと、左の頬に優しく口づけされる。
あわせるように、彼女の膣がゆっくりうねる。
そこではじめて……自分が挿入したままだと気づく。

「じゃあ、さっきの続きをしよっか。
 もっとたくさん出して、私に吸わせてほしいな。
 そのぶんキミは小さくなっちゃうけど
 気持ちいいんだから……かまわないよね」

彼女を振り払おうとしたけれど、できなかった。
筋力が衰えてるだけじゃない。
身体に力を込めることすら、ままならない。

「ん、あんまり無理しない方がいいよ?
 ただでさえ、命をたっぷり吸われてるんだから。
 それにほら……逃げる必要なんてないよ。
 だってこんなに素敵なことができるんだから」

彼女がおっぱいを僕にぐにぐにと押しつける。
成長して大きくなった乳房が、
僕の胸板の上でいやらしく変形する。
やわらかさが全身をつたって、腰や背筋が震える。
ペニスがどんどん固さを増していく。

「あはっ、ちゃんと興奮してくれてるみたいだね♪
 良かったぁ、もしかしたら小さい女の子にしか
 興味がもてないのかなって心配してたの。
 でも、そんなことなかったね」

片手で僕の手をとって、乳肉にぎゅうっと押しつける。
いけないと分かっているのに、手に力を込めてしまう。
やらかい感触が手のひらいっぱいに広がって、
気を抜くとそれだけで出してしまいそうになる。

「おっきいおっぱいも大好きなんだね。
 それとも、可愛い女の子の身体ならなんでもいいのかな?
 あ、きっとそうだよね。
 えっちなことしてくれるなら、お人形さん相手にだって
 びゅーびゅーって、ぶっかけちゃうぐらいだもんね」

背中に回された片手が、肩甲骨をそうっとさする。
腰が押しつけられ、ぬるんだ膣壁が竿をこすっていく。
んっ…と情けない声が、口から勝手に漏れる。

「うんうん、一生懸命我慢してるんだね。
 そうだよね。また出しちゃったら、大変なことになるもんね。
 今度は何歳小さくなるのかな?
 あんまり出したら、赤ん坊になっちゃったりして。
 それとも……それも通り越して死んじゃうのかな?」

死んじゃう、という言葉がひどく冷たく聞こえる。
死ぬ? こんなところで?
誰にも知られずに、わけの分からないまま人形に犯されて、
それで……死ぬ…?

「ふふ……やだやだーって首を振ったってだめだよー。
 お姉さんと繋がってる限り、
 キミはどぴゅどぴゅーって射精するしかないの。
 さ……諦めて出しちゃおうね」

両腕が僕の背中に回され、きゅっと抱きしめられる。
彼女の中が一際つよく締めつけられる。
だめだ……出ちゃう……っ…。

「…ぁ……んっ…………あれ…我慢したんだ?
 ふふ、頑張りやさんだね」

射精は…してしまった。
だけどとっさに太ももに爪を立て、必死に押しとどめた。
だから、ほんの数滴ぐらいに抑えることができた。

「でもね、キミも気づいてるんじゃないかな?
 そんなことしたって、時間稼ぎにしかならないって。
 たっぷり出してないから、興奮をしずめることもできないよ?
 ねえ、それでどうやって逃げるのかな?」

ペニスを抜こうと、腰を後ろに引く。
だけど、抱きしめられているせいでほんの少ししか動かない。
かわりに彼女がまた腰を押しつけてくる。
繋がった場所から、白く濁った液体が溢れる。

「ほら、キミが漏らしたのが出てきてるよ。
 ぬちょぬちょってしてて、臭いもすごくて……。
 ね、これたっぷり出してみたいと思わないの?
 お姉さんの身体なら、自由に使っていいんだよ。
 オナホールがわりに腰を振ってもいいし、
 思いっきり膣出ししたっていいの。
 そういうの……してみたかったんでしょ?」

……出したい。
……なにも考えずに射精してしまいたい。
中途半端に精を漏らしたせいか、かえって欲望が抑えられない。
大きくなったままのペニスが、痙攣したみたいに震える。
過呼吸みたいに息が浅く速くなる。

出してしまいたい。精液をお姉さんにぶちまけたい。
でも死にたくない………けど……出した…い……で…も……。

「さ、自分の気持ちに素直になろうね?」

僕の後頭部に手が回される。
頭がお姉さんのおっぱいにぎゅっと押しつけられる。
彼女の長い髪の毛が、耳の後ろをくすぐる。
あったかい手のひらで、頭をそっと撫でられる。
すうっ…と抵抗する力が消えていく。
もう……いいや……死んだりなんて…きっと……しない…。

「うん、いい子いい子。
 そのままもっと身体をだらり…って楽にしていいよ。
 身体の芯までぜんぶゆるゆるにして、
 そのままびゅーってすると、最高に気持ちがいいんだよ。
 良かったね……まるで天国だね……」

優しい言葉に、身体も心もゆだねてしまう。
腰の奥がひくつくのも、そのままにしてしまう。
あぁ……なんて……気持ちいいんだろ……。
お腹の中が、ぼこっ…ぼこん…とポンプみたいに蠢く。
大量の精液がゆっくりペニスの中を流れてくる。
出ちゃう……出したい………思いっきり出そう……。

精液が流れ出る直前、びくん、と身体が一度だけ跳ねた。
そのまま……ゆるやかに射精した。
どぷっ…どぱぁ…っ…と精液がゆっくり放たれていく。
頭のなかが幸せな感覚でいっぱいになる。

「そうだよ……いい子、いい子。
 身体のなかが空っぽになるぐらい、全部出しちゃおうね」

優しく抱きしめられ、頭を撫でられながら射精する。
少女に出したときと同じように、
いつまで経ってもペニスが疲れる様子はなかった。
何秒でも、何十秒でもずっと精液がとろとろ流れつづける。
やがて身体より先に、意識が遠くなっていくのを感じる………。
 
 
 
 
 
 
「ん……起きた?」

声に呼ばれるようにして、まぶたを開く。
また……彼女がいた。
さっきよりもまた少し成長した姿で。

今度はすぐに事態を理解する。
僕は6歳か7歳ぐらいで、彼女は二十代半ば。
幼い僕は裸でベッドに寝転がり、
その上に彼女がまたがっていた。
ペニスは…彼女の中に差し込まれたままだった。

「ふふ、良かったね。
 赤ん坊にもならなかったし、死んじゃうこともなくて。
 ああ、もちろん……この次は分からないんだけど」

こんな身体で逃げられないのは明らかだった。
それを理解した途端、涙がこみ上げてくる。
さっきすべてを諦めたはずなのに、
なのに……やっぱり死ぬのがどうしようもなく怖い。

「……ね…お願い………助けて……」

「くすっ……だめだよ、可愛い男の子に戻ったからって
 そんなふうにおねだりしても。
 あなたはね、今度こそぜんぶ吸われて死んじゃうの」

彼女はにんまりと笑うと……僕の上で身体を揺すりはじめる。
幼い身体だというのに、ペニスはしっかり固くなっていた。

小さなペニスが抜け落ちないようにするためか、
彼女は腰を前後に揺らす。
ペニスが柔肉に完全に押し潰されるような感覚。

「や…めて……そんなの…すぐ…出ちゃ…う……」

「いいんだよ、すぐ出しちゃっても。
 それであなたの人生はおしまい。
 でも……いいでしょう?
 私はあなたの一生分以上の快楽をあげたんだから。
 苦痛もなしに人生全部の幸福を味わえた。
 それなら今ここで終わってもいいよね?」

「や…だ………やだ…ぁ…」

「あらら、泣きべそかいちゃった。
 だけど逆効果だよ?
 私ね、そういう泣き顔見るの大好きなんだ」

唇を吊り上げて、彼女が身体をくねらせる。
腰から先が、ぬるぬるの肉の感触に満たされる。
まともにピストン運動さえされていないのに、
もう射精寸前まで追い詰められていた。
出した……ぃ……違う……出したくなんて……。

「ホントはね、さっきあなたの命をぜんぶ吸い取ることもできたの。
 でもね、ちゃんと我慢してあげたんだよ。
 ……なんでって?
 それはもちろん、あなたが絶望する顔を見たかったから。
 死ぬかもしれないじゃなくて、間違いなく死んじゃう。
 それなのにこらえきれない、情けない顔が見たかったの」

小さな性器が肉に包まれるたびに、
まるでペニスが溶けてしまったような錯覚を覚える。
かと思うと、穴が広がった途端に感度が蘇り、
舌の根がひくつくほどの快感が走る。

「ふふっ、気持ちよくて震えてるの?
 そうだよねー、だってあなたはもう小さな男の子だから。
 おちんちんの感覚も、子供のときに戻ってる。
 ちょっと触られただけでピクピクしちゃうよねー」

彼女の言うとおりだった。
まるではじめて自慰を覚えた頃、いやもっと以前、
むずむずする股間を無意識にいつもいじっていたような
幼い頃のペニスの感度に戻っていた。
その敏感な性器が、いやらしい蜜壷に搾られる…!

「……ぅ……あ…ぁ………やぁ…だ…ぁ…」

腰の奥がどうしようもなく熱い。
だけど、それが自分の命そのものだって本能的に分かる。
これを放ったら、きっと最高の快楽が得られる。
だけど死んでしまう。
なにもできないままに僕の人生が終わってしまう。
そんなの…やだ……いやだ…………なの…に……。

「抵抗してもだめだよ。あなたの運命はね、
 私の顔をべたべたに汚したときにもう決まっちゃってたの。
 ねえ、本当は分かっていたんじゃないの?
 私がただの人形じゃないって。
 もしかしたら人間かもしれないって。
 なのに、あなたは欲望に負けて私を性処理人形にした。
 そんな愚かでどうしようもない人は、私に殺されちゃうの」

あまりに強く歯を噛みしめすぎて、あごの感覚が麻痺してくる。
爪を突き立てた太ももも、じんじんと火照る感覚だけになってくる。

「頑張るね。でも……そろそろおしまい」

彼女が手を伸ばし、すべすべの指で僕の脇腹をくすぐる。
こそばゆい感覚が波のように広がって、身体の力がゆるむ…。
ふぁ……あ…ぁ………だ…め……。

「さあ、素直に死んじゃおう?
 意地を張って最後の射精が中途半端なんて、嫌だよね?
 たっぷり気持ちよく吐き出して……終わろうね」

指がすうっと動いて、僕の胸板に移動する。
長い爪が乳首をかりっ…とこする。

「…っ……ぅ……。……ぁ………ぁ…あぁ……あぁあぁぁぁぁっ!」

ペニスが彼女のなかにぐいぐいと押し込まれる。
ベッドごと下から突き上げられたみたいに、
彼女の身体を持ち上げるほどの力で、腰が何度も跳ねる。
どくんっ…どくんっ…どくんっ…とペニスがびくつく。
膣内で肉棒が破裂したんじゃないかと思うほどの勢いで、
精液がとめどなくに放たれていく。

「んっ……そうだよ、そのままいっぱい出してね。
 最後の一滴まで残さずに、全部ちょうだい…♪
 そうしてそのまま……」

どくん、どくん…という射精音が頭に響く。
視界が灰色に濁って、やがて真っ白になっていく。
精液の臭いが一瞬立ち込めて、でもそれさえ薄れていく。
ペニスのなかを精液が流れる感覚だけになる。
身体と心が溶けて流れて出て行くのを感じる。
僕は……ぼくは……………あ…ぁ……きもち…いい……。
 
 
 
     * * *
 
 
 
部屋のドアが小さくノックされる。
彼女が「どうぞ」と言うと、あの女店主が入ってくる。
女店主に向けて、彼女は微笑む。

「ああ、お母様。先ほど終わったところです」」

女店主は部屋を見渡し、ベッドの上を一瞥して
それから自分の娘に声をかける。

「お疲れ様。……身体は大丈夫?」

大丈夫、と答えるように彼女はうなずく。
ベッドから下りようとする彼女に、女店主が歩み寄る。

「だめよ、無理しちゃ。もう一人の身体じゃないんだから」

「ふふ……そうでしたね」

母親の肩に身体を預けながら、
彼女は自分のお腹にそっと手を当てる。

「いい子に育ってくれるでしょうか…?」

母は自分の娘と孫娘に優しく笑いかける。

「ええ。きっとあなたみたいな素敵な娘になるわ。
 私も、私のお母さんも、
 みんなそうやって生まれてきたのだから」

二人は肩を寄せ合い、他愛のない話をしながら歩き出す。
笑い声の余韻が誰もいない部屋に響いて、
やがて……それも消えてなくなった。

END