彼女の部屋で(前編)

学校から電車で三駅の町にある、こじんまりとした一戸建て。
僕にはじめてできた彼女の自宅。その玄関前。
日曜日の昼下がり。

「明日は親いないんだ」と、わざとらしく楽しげに呟きつつ、
でも同時に、どこか恥ずかしそうにはにかんでいた彼女を思い出す。
どうしても……そういうことを期待してしまう。

小さく息を吐いてから、インターホンのボタンに指を伸ばす。
電子音のチャイムが鳴って、しばらくして声が聞こえてくる。

「――くん?」

呼ばれた名前は、僕の名前に間違いなかった。
だけど、その声は彼女のものとは違ってた。
 
 
 
     * * *
 
 
 
「美里、急にバイト先に呼び出されちゃったみたいで。
 三十分もせずに戻ってくるとは言ってたんだけど。
 ごめんね、お待たせしちゃって」

リビングのソファに腰かけた僕に向かって
姉の千里(ちさと)さんが、彼女がいない理由を説明してくれる。

千里さんとはまるっきり初対面ってわけじゃなかった。
僕や美里より二つ年上で、同じ学校の三年生。
だから何度か会話したこともあるし、僕らの関係も知られてる。
それでもやっぱり、こんな状況だと少し緊張してしまう。

「――くんは、って……あ、私までこんな呼び方したら
 失礼になっちゃうかな?」

大丈夫ですよ、と返事をすると
千里さんは嬉しそうに笑って、何度か僕の下の名前を呼ぶ。
なんだかそれが気持ちよく感じてしまう。
首筋をくすぐられるような、じんわりとした心地良さ。

どちらかといえば明るく快活な美里と違い、
千里さんはゆったりと落ち着いた感じの人だった。
身体つきも、美里よりもずっと大人びていて、
いまもサマーブラウスの胸のあたりの膨らみがよく分かる。

「そうだ、お茶淹れないとね。
 ちょっと待っててくれる?」

そう言って、千里さんが立ち上がってキッチンに向かう。
その拍子にスカートの裾がひらひらと揺れる。
そんなことが妙に気になってしまう。

このあと出かける予定でもあったのか、
家の中だっていうのに、やけに短い丈のスカートを履いてる。
生地だって光に透けてしまいそうなほど薄いものだし、
その水色の布の裾からは、真っ白な太ももが伸びてる。

もしかしたら美里と「そういうこと」ができるかも、と
期待してしまってたせいかもしれない。
千里さんのことまで、性的な目で見てしまいそうになる。
見ちゃいけない、と思ってるはずなのに
視線がどうしても千里さんの身体から離れなくて。

「――くん、どこ見てるのかな…♪」

「………!」

声をかけられて、はっと顔を上げる。
千里さんが僕の方を振り返って、いたずらっぽい笑みを浮かべてる。
言い訳しようとして、でもそれより先に千里さんがくすっと笑う。

「そういうことしてると、美里に怒られちゃうよ?
 あ、それとも……私と一緒だとやっぱり落ち着かない?」

「そ、そんなことは……え、と……なくて……でも……」

しどろもどろな言い方になってしまった僕を見て、
また千里さんが、ふふっと笑う。

「大丈夫だよ、なんとなく分かるから。
 じゃあそうだ、美里の部屋で待ってたらどうかな?
 お茶はあとで持っていってあげるから」
 
 
 
     * * *
 
 
 
リビングを出て二階に上がり、
千里さんに聞いたとおりに一番奥の部屋のドアを開ける。
部屋に入った途端、ふわっ…と女の子特有の匂いがする。
なんだかまた、やらしい気持ちが湧き起こりそうになる。

部屋は白い壁紙にあわせたように、机や本棚も白で統一されてた。
でもカーテンやベッドカバーの柄に混じったピンク色からは、
たしかに女の子らしさが漂ってる。

「……えっと………」

落ち着かないままに、ベッドの端に腰を下ろす。
ここでいつも美里が生活してる様をなんとなく想像する。
勉強したり……眠ったり……着替えたり……。

部屋のなかの甘くてやらしい匂いが、
肺のなかにどんどん溜まっていくのを感じる。
いつのまにかペニスが少し大きくなってた。

下着の詰まっているであろうタンスだとか、
壁にかけてある制服だとか、
そんなものにばかり視線がつい向いてしまう。
美里がいつも身につけてる衣服が、
僕の手に届いて、触って、匂いだって嗅げる距離にある。
そのことをどうしても意識せずにいられない。

ペニスがさらに固くなってく。
同時に、後ろめたさがじわじわ這い上がってくる。
そういう下卑た行為を想像してしまう自分が嫌だった。

頭を振って、それからベッドに背中から倒れ込む。
天井でも見ていれば変な気も起きな……。

(…………?)

背中に違和感を感じて起き上がる。
掛け布団の下になにかある。
ほとんど意識しないままに、自然と布団をめくってた。

(………これって……)

布団の下には、パジャマと下着が隠れてた。
急に呼び出されたって言ってたから、
あわてて着替えて、そのままここに押し込んだんだろうか。
ピンク色のシンプルなパジャマの上下と、
つるつるして光沢のある生地の白いショーツとブラだった。

パジャマの方は皺が寄ってるし、さっきまで着てたのかもしれない。
一方で下着はちゃんと洗濯してあるみたいで、
臭いもしないし、染みも見あたらない。

(………ぁ…)

そこではじめて、自分が恋人の服と下着を手に取って
じっくりと観察してしまっていることに気づく。
慌ててベッドに押しつけるように戻しながら、
周囲を思わず見渡してしまう。
でも、もちろん誰にも見られてるわけなかった。

窓にはカーテンがかかったままだし、ドアもきちんと閉まってる。
耳を澄ましてみるけれど、廊下や階段もしんと静まり返ってる。
ベッドに置いたままの手のひらに、
すべすべとした下着の布地がこすれる…。

「………………」

窮屈なズボンの下で、ペニスがひくひくと何度も蠢く。
それが苦しくて、ベルトのバックルを左手で外す。
少しだけ下半身が楽になる。
そのまま……ズボンのジッパーも下ろしてしまう。
自分の下着の隙間から、ペニスを取り出していく。

いけないことをしてるんだって、分かってる。
身体の中を血が流れる音が、こめかみあたりで轟々と聞こえる。
頬が熱くなってるのが分かる。背中にじんわりと汗がにじむ。
だけど、手が止まらない。

固くなったペニスにショーツをそっと巻きつける。
しゅるっ…という小さな衣擦れの音を立てながら、
下着の表面が竿をこすって。

「……ひ……ぁ…っ……」

あまりの快感に思わず目を閉じてしまう。
ペニスを包み込む小さな布地の感触だけが膨れ上がる。

美里が、恋人がいつもスカートの下に穿いてる下着を
自分の性器に巻きつけてる。
そう意識するだけで、ぞくぞくとした快感が何度も走り抜ける。

(……もう…ちょっと……だけ……)

巻きつけたショーツを上下に動かしてみる。
女の子の下着特有のやわらかくすべすべした感触が、
ペニスの裏筋を優しく撫でていく。

手を動かすたびに、ショーツの表についている
小さな装飾のリボンが見え隠れする。
自分がいけないことをしているのだと、
恋人の衣服を汚してるんだと思い知らされる。

(……早く……やめ…ない……と……)

いくらなんでも、このまま精液を吐き出すわけにはいかない。
そんなことしたら、絶対にばれてしまう。
だから、やめないと。早く元に戻さないと。
なのに……なのに………。

下着が擦れるたびに、全身が甘く痺れたように震える。
口の中に唾液がどんどん湧き出てくる。
頭がぼうっとして、視界が少し霞んで見える。
腰の奥がどくどくと、何度も大きく収縮する。

「………ぁ………は……ぁ…っ……」

ベッドの縁から、わずかに腰が持ち上がる。
美里の顔が思い浮かぶ。
こんなことしたって知られたら軽蔑される。嫌われる。
だからやめようって思ってるはずなのに、
どうしてもショーツを擦りつけるのが止まらなくて。
……あ…ぁ……この…まま……出ちゃ……っ…。

「――くん、ここ開けてくれるー?」

「…………!」

心臓が跳ね上がる。千里さんの声だった。

「ごめんね。お茶淹れてきたんだけど、両手が塞がってて」

慌ててしどろもどろな返事をしながら、
ズボンを引き上げてベルトを留める。
それからショーツを布団の下に戻そうとしたとき、
下着にべっとりとカウパーが染みつき濡れているのに気づく。
こんなの、そのまま戻したってばれ……。

「――くん、聞こえてる?」

「………は、はい…っ」

とっさにショーツをポケットにねじ込み、部屋の入り口に駆け寄る。
ドアを開くと、すぐに千里さんが入ってくる。
紅茶とお菓子をのせたトレイを持っていて、
それを窓際におかれた机の上に運んでくれる。

「お砂糖とミルク、どうする……って、ああ、ごめんね。
 美里ったらまたそんなとこに服出しっぱなしで」

僕の方を振り向いた千里さんが、ベッドの上を見て苦笑する。
そうだった。パジャマとブラを隠し直すのを忘れてた。

「ここだけの話、あの子けっこうだらしないところあるから。
 あ、でも根はとってもいい子だよ。
 私が保証するから、だから……大事にしてあげてね?」

素直にうなずけなくて、曖昧に笑みを返す。
いましがた自分のしてた行為を思い返すと、
美里を大事にしてるなんて嘘でも言えなかった…。

砂糖だけ入れてもらった紅茶を受け取り、カップを傾ける。
あたたかさと甘い香りで、少しだけ落ち着きが戻ってくる。

「私もちょっと、そっち座っていい?」

千里さんがベッドに近づいてきて、僕の右隣に腰かける。
体温が感じられるぐらいに近く、寄り添うような座り方だった。
短いスカートからは太ももの半ば以上が露わになってる。
それにスカート自体も、ほんの少しめくれたら下着が見えそうだった。
ズボンの中で、ペニスがまた小さく跳ねる。

「そういえば、今日はごめんね。
 ほんとは美里と二人っきりのつもりだったんじゃない?
 私もね、ほんとは出かける予定だったんだけど」

「えと……そんなこと、ないです。
 この家来るのはじめてだし、そこで美里と二人だけっていうのも
 それはそれで落ち着かないし」

少しだけ期待と違ってたという思いはある。
でも、いま口にしてることも本心だった。

「そうなんだ?
 ふふっ……だけど、私がいたらお邪魔なこともあるだろうから。
 二人だけでしかできないこととか」

くすくすと、からかうように千里さんが笑う。
どう返事していいか分からなくて、苦笑いしながら紅茶の残りを飲み干す。
千里さんがまた微笑みながら、呟く。

「それに私がいなかったら、さっきだって邪魔されなかったのにね?
 きもちよーく、最後まで射精できてたのにね…♪」

手が震えて、カップを取り落とす。
空になっていた陶器のカップが絨毯に落ち、鈍い音を立てる。
いつのまにか、千里さんの手にはあのショーツがあった。

「ほーら、これはなにかなー?
 うん、言わなくても私の方がちゃんとよく知ってるよ。
 美里の下着だよね。
 でも、それがどうして――くんのポケットに入ってたのかな?」

とても落ち着いた声だった。
僕をなじるでもなく、嫌悪するでもなく、
優しく問い詰めていくような喋り方。

「……それ……は………部屋に……落ちてて……だから……」

「落ちてたら、勝手に拾ってポケットに入れてもいいの?
 彼氏さんだからって、そんなことしたらいけないんじゃないかな?
 それに」

千里さんがショーツを広げてみせる。
白い布地お尻のあたりが、濡れて変色しているのが分かる。
千里さんが指で撫でると、わすかに透明な糸が伸びる。

「ここ……ぐちょぐちょに濡れてるのはなんでかな?
 それに少し、ねとねと…って粘ついてるみたい。
 ね……なんでかな?
 ――くんは、ちゃんと答え知ってるよね…♪」

返事をするより早く、千里さんの手が僕の下腹部に伸びてくる。
彼女はベルトを外し、僕の性器を取り出してく。
年上のきれいな女の人の指がペニスを無造作に触ってく。
その感触だけで、こんな状況にも関わらずペニスが大きくなる。

「ん……やっぱり♪
 このパンツを自分のおちんちんに擦りつけて、
 それで気持ちよくなってたんだよね。
 だってほら、こっちもおんなじ液体で汚れてるよ?」

千里さんのほっそりとした指が、ペニスの鈴口をなぞる。
指の腹のやわらかさが、たまらなく心地いい。
透明な粘ついた液体が、彼女の綺麗な肌を濡らしてく。

「さ……怒らないから認めてごらん?
 僕は女の子の下着をおちんちんに巻きつけて、
 しこしこーって扱いて、気持ちよくなってましたって。
 そういうことが大好きなんですって」

「……そ……そんな…こと……」

「あれれ、まだ口ごたえするんだ?
 じゃあ、おちんちんの方に証明してもらおうかな…♪」

千里さんがさらに僕に密着してきて、
ほとんど寄りかかられるような体勢になる。
サマーブラウスの胸元のボタンは外れて、
首元も鎖骨まで露わになるぐらい大きく開いてた。
もたれかかられると、その胸元が丸見えになってしまう。
美里よりもずっと大きくやわらかそうな乳房だった。
それが僕の二の腕のあたりに、むにむにと押しつけられる。

「――くんが大好きなこと、しようねー♪」

僕にいっそう体重をかけながら、
千里さんがショーツを僕のペニスにすっぽりとかぶせる。
亀頭の先端に、下着の内側が重なる。
その重なった先端部分を、何度も指先で擦られる。
たちまち、ちゅく…ちゅくっ…と粘ついた水音が混じり出す。

「ふふっ……おちんちん、がちがちだよ?
 透明なぬるぬるもいーっぱい出てきてる。
 これでもまだ、女の子の下着でオナニーするのが大好きな
 変態さんですって認めないのかな?」

千里さんがゆったりとした調子で僕に語りかける。
そのあいだもペニスがショーツにくるまれたまま扱かれつづける。
竿の根元、裏筋、亀頭、尿道口…と、
なめらかな繊維の感触がペニスのあらゆるところを撫でてく。

「……ぁ……ぁ……っ……」

快感で脳みそがじんじんと痺れる。
もうショーツは僕のカウパーでどろどろになってて、
千里さんが手を動かすたびに、ぐちゅ…ぐちゅっ…と音を立てる。

「ね、自分でもちゃんと分かるかな?
 おちんちんがひくひくってして、早く射精したいって
 一生懸命に言ってるみたいだよ?
 女の子のすべすべ下着の中に、どろどろの精液をたっぷり
 びゅーびゅーしたいよーって…♪
 恋人さんのパンツを自分の射精のためだけに使って、
 頭まっしろになるまで、どぷどぷ精液出しつづけたいよーって♪」

その言葉に誘導されるように、
頭の中にこのままどくどくと精液を吐き出すイメージが広がってく。
快楽に身をまかせて、だらしなく口を開けたまま
精液をどぷどぷと吐き出す快感を想像してしまう。

「さあ、認めてごらん?
 僕は女の子のパンツでごしごしされるの大好きですって。
 認めたら、このまま射精させてあげる…♪」

「………ぁ………す…き……です…っ……きもちい…ぃ……」

なにかがおかしいのは分かってる。
いくら美里の下着を汚してたことがばれたからって、
だからってこんなことされるなんて、どうかしてる。
だけど、もうそんなことどうだっていい。

ペニスの根元に精液がぱんぱんに溜まってるのが分かる。
出したい。出したい。出したい…っ…。
それしか考えられない。

「ん……よく言えました♪
 じゃあ、このまま女の子のパンツの中に、どくどくって出しちゃおうか。
 いつもはスカートの下に隠れて見えない女の子の下着に、
 おちんちんの先っぽを思いっきりくっつけて
 頭真っ白になるぐらいにびゅーびゅー出しちゃおっか♪」

腰が浮いて、ペニスがひときわ大きく張り詰める。
このまま、あとほんの数秒で射精するって身体で分かる。
千里さんが呟く。

「そしたらこの下着は精液でどろどろになっちゃうけど、
 でもそれはしょうがないよね。
 美里にだって全部ばれちゃうだろうけど、
 それでもいいんだよね…♪」

「…………っ…!」

僕の戸惑いを見透かしたみたいに、千里さんが笑う。

「もしここで我慢できるなら、
 美里にはなにも言わないでおいてあげるよ?
 これもちゃんと洗濯して隠しておいてあげる。
 だけど……そんなことよりも、
 おちんちんから精液びゅーってしたいんでしょ?
 彼氏としての体裁を守ることなんかより、
 気持ちよく射精する方が大切なんだよねー♪」

(……ち……がっ……)

お腹の奥に力を込めて必死に射精感を押さえつける。
声を出したら、いまにも緊張がゆるんで精液がこぼれそうだった。
だから頭をぶんぶんと左右に振って否定する。
だけど、そのたびに千里さんの胸が腕にあたり、
シャンプーの良い匂いが鼻をくすぐる。
射精感が風船みたいに膨れ上がってく。

「なぁに? ひょっとして違うって言いたいのかな?
 嘘ついちゃだめだよー?
 どうせ最初から、自分が気持ちよくなることしか
 考えてなかったんだよね?
 だからはじめて入った女の子の部屋で、
 勝手に下着を拾って、おちんちんに擦りつけたりなんて
 そんな最低のことができるんだよね」

(……違…う……あれは……たまたま………)

「そんな悲しそうな顔したって、言い訳は聞いてあげないよ?
 お姉さんに言いたいことがあるなら、
 射精せずに最後まで我慢してみようねー。
 そうしたら、気持ちよさに浸ることよりも
 美里のことを考えてるんだって認めてあげる」

そこでいったん言葉を切ってから、
とても楽しそうに千里さんが呟く。

「でも、どうせ無理だよね。
 女の子の下着でオナニーに耽っちゃうようなお猿さんには、
 我慢なんてできるわけないよね…♪」

千里さんの右手がするりと動いて、
なにかが僕の鼻先を覆ってしまう。
それは……ベッドに置いたままのブラだった。
驚いて息を吸い込んだ途端に、
女の人のやらしくて甘い匂いがして。

「………ぁ……ぁ……でちゃ……ぁ…っ…」

張り詰めてた力が抜けてしまう。
腰の奥がポンプみたいに収縮して精液を送り出す。
ペニスの中を精液が駆け上ってくる…っ…。
あ…ぁ……あああぁあぁぁっ…!

「ふふっ、やっぱり出しちゃったねー♪」

どくどくどくどく…!と異常な勢いで精液が溢れる。
白いショーツの中に、粘ついたあたたかい液体が
こぼれていくのが感じられる。

ブラで口元を押さえつけられてるせいで、
呼吸をするたびに淫らな匂いがして、
そのたびにペニスが跳ねてまた精液が吐き出される。

「うんうん、いっぱい出しちゃおうねー。
 女の子がいつも素肌に身につけてる下着に、
 汚い精液をたっぷなすりつけちゃおっか」

千里さんが僕に身体をまたすり寄せる。
やわらかい乳肉が僕の腕にたぷっ…♪と当たる。
それに、いつのまにかスカートもめくれてて
細やかなレースの施された白い下着が見える。

「あ、今度は私のパンツ見てるのかなー?
 浮気者の悪い子だねー♪
 でもいいよ、精子をびゅーびゅー出すことしか考えられない
 動物さん相手に怒ってもしょうがないもんね。
 私のパンツ見ながら、私のおっぱいの感触味わいながら、
 最後まで気持ちよく出しちゃおうね」

千里さんの太もものあいだからのぞく下着を見つめる。
自分がその布地にペニスを押し当てて射精してるような気がして、
また一際大きな精液の塊が吐き出される。
息を吸うと、ブラの匂いがまた肺いっぱいに広がる。
千里さんの胸に顔をうずめているような錯覚に陥りながら、
精液をどぷどぷと垂れ流す。

少しずつ勢いを弱めながらも、ペニスは執拗に精液を吐き出す。
不意に、美里の笑顔が頭をよぎる。
心臓が鷲掴みにされるような後ろめたさがして、
だけど同時に千里さんが囁く。

「難しいことなんて考えなくていいんだよ。
 そういうものは必要なくなるものなんだから。
 気持ちよくなれたことだけ、覚えていればいいの。
 どんな最低の行為をしたって、それで自分が気持ちよくなれたって
 そのことだけ覚えていればいいの」

耳から甘い蜜を流し込まれるように、
身体のなかに千里さんの言葉が染み込んでいく。
目を閉じて、まだつづいてる射精の心地良さに身をゆだねる。
あぁ……ほんとう…に……きもち…い……い………。

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