ずっと一緒に(後編)

射精の余韻が消えるころになって、
芹菜が太ももをそっと僕の身体から離す。

「すごい……こんなに出たんですね」

言われて視線を滑らすと、芹菜の太ももあたりの布地に
白く濁った粘液が、大ぶりのスプーンですくい取れそうなくらいに
どっぷりとこびりついてる。
その周囲から少しずつ精液が芹菜のパジャマに染み込んで、
じわじわと色濃く変色していくのも分かる。

「ん……どろどろ、ですね。
 こんなに私の身体で出してくださったんですね、兄様。
 とっても……嬉しいです」

脳が快感で麻痺したみたいに、上手く思考がまとまらない。
どうして芹菜とこんなことになっているのか。
その理由を考えようとするけれど、まるで頭が働かない。
それに、また心臓がずきずきと痛む。

そのあいだに、芹菜が僕の身体を滑り落ちるように移動する。
僕の両脚のあいだに入り込み、
ペニスをまるで小さな生き物のように両手で包み込む。

「これが兄様のなんですね……。
 さっきはここから、私の太ももにあんなに……」

芹菜の指が萎えはじめたペニスの上を、
ぺたぺたと這い回る。
興味深いものを見つけた子供みたいに、
亀頭を、カリ首を、竿を……いたるところを触ってく。

「………ぅ……あ……」

またペニスが反応する。
もっとたくさん撫でてほしい、と訴えるみたいに膨らんで
芹菜のほっそりした指先に吸いついていく。

「あ、大きく……なってきました。
 兄様、まだ……出したいんですか?」

ごくゆったりとした動作でペニスが愛撫されつづける。
芹菜が撫でてくれるたびに、
精液とカウパーにまみれた肌の上に
うっすらと指先でなぞった跡がつく。
それを目印にしてるみたいに、何度も何度も
丹念に芹菜がペニスをさすってくれる。

「…………ぁ……い…ぃ……」

思ったことがそのまま口に出てしまう。
情けなくみっともない、欲望丸出しの声。
それでも芹菜は少しも態度を変えない。
優しく優しく、僕の性器を撫でる。

「さっきはここから、びゅーって精液出てたんですよね。
 私の足に押さえつけられて、
 気持ちよくて……お漏らししちゃったんですよね」

芹菜の指の動きがかすかに変わる。
亀頭から竿にかけて撫でおろすように動いていた指が、
今度は逆に、竿の根元側から撫で上げるように動く。
それがなんだか……射精をねだられてるみたい…で…っ…。

「…………ぁ……く…っ……」

腰の奥が蠢いて、また精液をペニスの根元に送り込んでくる。
こんな気持ちいいときに、射精しなくてどうするんだって。
だけど同時に、心臓が悲鳴を上げる。
ペニスがひくつくたびに、心臓が軋むような異様な感覚が走る。

「芹菜……やめ……また……出ちゃう…から…っ」

「ふふっ……いいんですよ、兄様。
 遠慮なんてしないでください。
 もう……察してくれますよね?
 私が兄様を……どう思ってるのか。
 兄様になにを求めてるのか。
 はじめて兄様を見た時から、私がどんな気持ちだったのか。
 こうなるときを、どれだけ夢見ていたか」

どう返事をすればいいか、わからない。
心臓がどくどくどくどく…!と滅茶苦茶に鼓動を打つ。

「兄様は私のこと……嫌いですか?」

芹菜の指が、すっとペニスから離れる。
快感がたちまち消えて、
でも絶頂一歩手前まで張り詰めた射精欲求が消えない。
指と指のあいだに透明な糸を引きながら、
芹菜が自分のパジャマのボタンを、ぱち、ぱち…と二つ外す。
ブラもなにもつけていなかった。
真っ白な肌と、ゆるやかな谷間と、小さな乳首が見える。

「兄様の気持ち、教えてください。
 そしたら……」

「好きだよ……好き…っ……芹菜のことが…っ…」

わけもわからず、腰を突き出してた。叫んでた。
芹菜が微笑む。

「じゃあ……証明してください、兄様。
 私のことが好きだって証拠、見せてください。
 私の服や身体が汚れることなんて、
 なんにも気にしなくていいですから」

ペニスをかき抱くように、優しく芹菜が身体を寄せてくる。
パジャマからはだけた胸元に、ペニスがそっと押しつけられる。
すべすべの肌触りと、ふにっとした小ぶりなおっぱいの感触。
カウパーをだらだらと垂れ流しながら、
ペニスの先端が芹菜のあどけない胸を這いずり回る。

「あんまり大きくなくて、ごめんなさい。
 せめてこんなことで、兄様が気持ちよく鳴ってくれるのなら
 とっても嬉しいんですけれど」

先走りでぬるぬるになった乳房の上を、
尿道口と裏筋がぎゅうぎゅうと押しつけるように滑る。
あの芹菜の胸に、いつも視姦するように眺めていた義妹の身体に
僕の体液をべとべとになすりつけてる。
気が狂いそうなほどの快感が脳みそを浸す。

「……ひ……ぁ……っ…」

強すぎる快感に身体が恐怖を覚える。
だけど、芹菜の手のひらがペニスをしっかりと押さえてる。
逃げ場のない性器の上を、気持ちよさが駆け巡る。
絶頂感がたちまち襲ってくる。

「兄様……どうぞ出してください。
 そうしてくださるのが、私……とっても嬉しいんです。

芹菜の胸の先端……つん、と小さく尖った乳首に当てるように
ペニスがすっと引き寄せられる。
ちゅくちゅくっ…と小さな音を立てながら、裏筋が乳首にこすれる。
芹菜の胸から視線が外せない。
義妹の、このきれいな…おっぱい…に……っ…。

「…ぁ……ひ……ぁ…ああぁああぁ…ぁっ…!」

脳みその芯が気持ちよさでじんじんと痺れる。
頭のてっぺんから気持ちよさが洪水みたいに溢れだして、
それに合わせるようにペニスが精液を吐き出す。
どびゅる…びゅぶる…っ…!と、今まで味わったことのない
吐精の感覚に全身が包まれる。

「……ぁ……ぁ…っ……あ…っ…」

「くすっ……兄様ったら、女の子みたいな声ですよ?
 男の人も、気持ちいいと喘いじゃうんですね。
 私、はじめて知りました」

新しいことを知ったのが純粋に楽しくて仕方ない、と
そんな表情で芹菜が笑う。
そのあいだも胸の先端で、裏筋がくちゅくちゅと刺激されつづける。
腰の奥が深く深く沈み込んだかと思うと、
どぷっ…と、大量の精液を吐き出す。
何度も、何度も。
精液の塊が芹菜の乳首にどろりとかかってく……。

「……あ……芹菜……芹菜……好き……好き…っ…」

うわ言のように妹の名前を呼びながら、
彼女の乳房に精液をなすりつけていく。
精液が後から後から湧いてくる。
いくらでも出せそうな気がする。
心臓はさっきからずっと痛い。だけど、もう気にならない。
もっと、もっと芹菜と気持ちいいことするんだ………。
 
 
 
     * * *
 
 
 
「……さま……兄様…」

呼びかけられる声で、はっと意識が戻る。
いつのまにか眠ってた。
あるいは意識を失っていたのに近いかもしれない。
意識が消えていたのは、せいぜい数分だろう。
芹菜は僕の傍らに戻り、寄り添うように横になっていた。

「あ……ごめ…ん……ちょっと…疲れてた……みたい」

声がかすれてるのが自分で分かる。
酸素が足りないときみたいに、
肺もひりひりと焼けつくような感じがある。
それに心臓の痛みもまるで変わらない。
ただあまりに長く続く痛みに、感覚が麻痺しはじめてる。

「ごめんなさい……私、その…嬉しくて……。
 それで、つい……しすぎて…しまったのかも…って。
 兄様の身体のことも…あるのに……」

「大丈夫…だよ……慣れてる…し…」

眠っているあいだに無意識にそうしてしまったのか、
ベッドの上で横を向き、芹菜を抱きしめるような格好になっていた。
芹菜は、僕の胸に頭をぴったりとくっつけてる。
その頭を撫でてあげようかといったん手を持ち上げて、
でも腕を動かすことすらいまは辛かった。
諦めて、力なくベッドに腕を横たえる。

「でも……今日はもう……終わりにしようか」

快感の余韻がまだ脳に焼きついてる。
心のどこかが、まだ快感を浴びたがってる。
だけど、これ以上は……まずい気がする。
明日に疲労が残るとか、その程度じゃすまない気がする……。

「あ……そう…ですよね……。
 もう終わりにしないと……だめですよね」

芹菜が寂しそうに呟く。

「ごめんなさい……なんだか今夜が終わるのがもったいなくて。
 せっかく兄様が好きだって言ってくれた日だから。
 だから……」

芹菜が微笑んだとたん、下半身が心地よさに包まれる。
それでやっと、ペニスが芹菜の股間部分に押し当てられるのに気づく。
パジャマ越しにではあるけれど、
秘所と太ももにぴっちり挟み込まれてる。

「ね、兄様……あと一回だけ、だめですか?
 兄様が私を好きだって証……あと一回だけ…ほしいんです…」

あと一回だけ、という言葉が耳に甘く染み込む。
ペニスがむくり、と反応する。
半勃ちだった性器に血が流れ込んで、
芹菜の脚のあいだで、がちがちに固くなっていく。

一回だけなら、大丈夫だと……思う。
それに……芹菜が求めてくれてるんだから。
僕の精液がほしいって、
妹で、恋人な、可愛い芹菜がねだってくれるんだから……。

「大きくなってるのは……いいってことなんですよね。
 うれしい……兄様、ありがとうございます。
 私も頑張って、いっぱい兄様のこと、気持ちよくしますから」

芹菜が足を交差させる。
太ももがこれ以上ないくらいにペニスに密着する。
パジャマ越しに、妹のショーツがカリ首にこすれる。
カウパーと精液と、あるいは芹菜の愛液も混ざり合った粘液が
にゅるにゅる…と亀頭の上に押し広がる。

脳がふやけていくような陶酔感が押し寄せる。
我慢するためのスイッチが壊れてしまったみたいに、
たちまち射精感がこみ上げる。

「………ぁ……もう……っ……」

芹菜が動きはじめて一分も経たないうちに、
もう絶頂の一歩手前まで追い詰められてしまう。
ペニスと秘所がこすれる音が、ちゅくちゅく…と脳を犯すように響く。
何度も射精して敏感になったペニスが、
また精液を吐き出そうと震えだす。

芹菜が腰を小刻みに動かす。
妹の股間がペニスににちゅにちゅと吸いつく。
快感と一緒に、濁った蜜のような征服感が満ちてくる。
もうすぐ、もうすぐ芹菜のパジャマとショーツに
精液をどろどろにぶちまけられる。
いつも自慰行為に耽りながら想像していたあそこに、
精液をどっぷりと吐き出せる……。

「……ぁ………っ……」

出る、と呟いたつもりだった。
だけど、喉がかすれて声にならない。
そのまま射精感が破裂する。

(あぁぁぁあぁぁ…っ…!)

どぷり、どぷり、と精液がこぼれる。
目には見えないけれど、たしかに射精してるのが分かる。
だけど……芹菜には伝わってない。
芹菜はまだ笑みを浮かべたまま、
僕のペニスを太ももでくちゅくちゅと圧迫する。

「………ぅ……せり………ぁ…っ…」

快感が無理矢理に引きずり出される。
馬鹿みたいに射精を繰り返したせいで、
僕自身の身体ももう、射精の切れ目が分からなくなってる。
脳みそが痺れて視界が白くかすんで、
そのたびに精液がとぷっ…と搾りかすのようにこぼれる。

「兄様……いつでも出していいですからね。
 私の身体に、好きなだけたっぷり出してください。
 そうしてくれることが、私は嬉しいんです」

「……ぁ……も……で………っ…」

もう出てる。出してしまってる。
そう言いたいのに、声が出ない。
心臓の痛みはもうない。
だけど、かわりに鼓動が不規則になっていく。
鼓動が一瞬止まり、思い出したように再び打ちはじめる。
その鼓動が途切れる間隔が短くなっていく。

だけど芹菜はまるで僕の状態に気づかない。
自分がどんなに幸福かを僕に囁きつづけてる。

「私……兄様とこういう関係になれたことが、
 本当に……本当に嬉しいんです。
 兄様の身体が不自由なぶん、私がかわりになります。
 手になって、足になって、なんでもします。
 兄様の人生をずっと一緒に歩んでいきます」

またペニスが跳ねる。射精する。
だけどもう、まぶたを開けている元気すらない。
暗闇の中で、ただその様子だけを想像する。
芹菜のピンク色のパジャマとショーツに
白くべったりと精液がなすりつけられていく様を。

どく…どく…と脈打つ。
それがもう、心臓の鼓動なのか、射精の律動なのか
それすらもうよくわからない。

僕は……死ぬのかもしれない。
だけど、不思議と恐怖はない。
どうしてかはわからない。
死なない、と心のどこかで思っているのかもしれない。
あるいは、妹を性欲のはけ口にしていたような、
そんな屑な自分には十分ましな最期だと
そう考えているからかもしれない。

身体そのものが、にゅるにゅると擦られながら溶けて
そのまま芹菜の中に入り込んでいくような。
そんな奇妙な幸福感を覚えながら……眠りに落ちた。
 
 
 
 
 
 
      * * *
 
 
 
 
 
 
「……さま……兄様…」

また……芹菜の声がする。
心臓がとくっ…とかろうじて鼓動を打つ。
まだ……生きて…る……?

まぶたを開けると、芹菜の部屋だった。
ベッドの上だった。やはりまだ外は暗い。
夢でも見ていたのだろうか、と瞬間思う。
だけど、部屋に充満する精液の臭いで
芹菜との行為が夢ではなかった、と分かる。

「よかった……兄様、死んでしまったのかと思って」

腕の中にふわふわとした柔らかい感触がある。
なのに、芹菜の声は背後から聞こえた。
違和感の理由はすぐに分かった。
僕はいつのまにか……抱き枕を抱きしめてた。
芹菜がいつも眠るときに使ってる枕だった。

「……え?
 ………え……え……?」

「大丈夫。落ち着いて聞いてください、兄様。
 びっくりして死んでしまったら、だめですよ?」

からかうような、でもなぜか慈しみが感じられない声。

「きっと兄様のことだから、勘違いしてるんじゃないかなって。
 それをちゃんと説明せずに死なれてしまったら
 さすがに申し訳ないなって、ちょうど思っていたんです。
 だから……生きていてくださってよかった」

どういうことなんだ、と振り向いて聞きたい。
だけど、手足にまるで力が入らない。
指先を動かすことすら、できそうにない。

「兄様のことですから、私が恋人になっただなんて
 もしかしてそんなふうに思っていませんか?
 私が兄様……いえ、あなたのことを愛してるだとか
 身勝手な妄想に浸っていたんじゃないですか?
 ……そんなわけ、ないでしょう?
 こんなことをする人を、どうして私が好きになるんです?」

僕の背後から手が伸びて、視界になにかが突き出される。
それは芹菜のショーツだった。
僕がペニスにこすりつけて自慰行為に耽ったあの下着。
背筋がすうっ…と冷たくなる。
芹菜は……ぜんぶ知っていた?

「なんの脈絡もなく、妹が自分を愛してくれるだなんて、
 そんなこと、あるはずありませんよね。
 甘い話がやってきたら、その理由もちゃんと考えないと」

心臓だけが、とくっ、と弱く鼓動を打つ。
なぜか奇妙なほどに頭が冴える。
自分のことを、冷静に……冷酷に捉えてしまう。
容姿も才能も人並み以下で、まともな健康すら持ちえない自分。
そんな自分が、せめて持っているものといえば……。

「ふふっ、そろそろ察してくれました?
 そうですね……あなたがいなくなったら私が遺産をもらえる。
 とっても単純明快ですよね。
 身体の弱い兄が、性欲に駆られて義妹の部屋に忍び込んで
 下着や寝巻きをさんざんに汚しつくして挙句の果てに衰弱死。
 とっても分かりやすいですよね」

そこで芹菜が言葉を切って、
それから……不意に声音が変わる。
あの優しい優しい、慈愛と清楚に満ちた声になる。

「でも……さすがに兄様が少しかわいそうですよね。
 だから、最後にもう一回だけ、気持ちよくしてあげます。
 快楽に浸りながら、安らかに息を引き取ってくださいね」

芹菜の腕が、僕の両脇の下から滑り込んでくる。
両肩を抱え上げるように固定して、
それから足を抱き枕ごと絡めてくる。

そこではじめて、抱き枕になにか布地が着せられているのに気づく。
それは……芹菜のパジャマだった。
さっきまで僕が汚していた衣服。

「それを私だと思って、たっぷりと射精をなさってくださいね。
 人生最後の射精が抱き枕だなんて、普通の人には残酷ですけれど、
 でも……妹の服や下着でおちんちんを扱くのが大好きな、
 そんな兄様みたいな人にはむしろご褒美でしょう?」

芹菜が僕に身体を押しつける。
背中いっぱいに、ひんやりとした柔らかい感触が当たる。
これって……。

「ふふっ……そうですよ。なんにも着てないんです。
 だって私の服は全部脱いで、それに着せてしまいましたから。
 でも残念でしたね。
 もう兄様には後ろを振り返る元気もないでしょう?
 せっかく最後に、妹の裸を見れるチャンスだったのに」

くすくすと笑いながら、芹菜が身体をくねらえる。
乳肉がたゆんで、僕の背中の上でやらしく変形するのを感じる。
たったそれだけの感触で、ペニスが大きくなっていく……。

「おっぱいの感触、気持ちいいですか?
 なんて……ふふっ、ごめんなさい。
 もう喋る力もないんだって忘れてました。
 兄様にできるのは、せいぜい私の匂いを胸いっぱいに吸い込みながら
 私が身につけていた服と下着に射精するだけ」

背中から芹菜に押されるようにして、抱き枕と密着する。
顔が枕の中にうずもれてく。
女の子の匂いがする。芹菜の匂い。
ペニスがどんどん膨らみつづける。
だめなのに。
射精なんてしたら、今度こそ本当に死んでしまうのに。
そう思っているはずなのに、まるで小さくならない。
固く大きくなるたびに、ペニスも枕の中に埋もれてく。
パジャマにまだ付いたままの精液が絡んで、
にゅるっ…と滑るように枕の奥へと潜り込もうとする。

「あ……もうすっかり大きくしてるんですね。
 出したら死んじゃうのに、
 兄様はやっぱり気持ちいいことをやめられないんですね。
 しかも、今度は相手が人間ですら、人形ですらないのに。
 私の服と、下着と、枕だけなのに。
 なのに、そんなものにでも欲情できちゃうんですね。
 じゃあ……手伝ってあげましょう」

僕の身体に足を絡めたまま、芹菜が腰を振りはじめる。
そのたびにペニスがぐいっ…と枕に埋もれる。
芹菜のピンク色のパジャマを着こんだ抱き枕、
その下半身にペニスがずぶずぶと深く入り込む。

「………っ……ぁ……」

喘ぐように息をする。
芹菜の匂いが肺の中に入り込む。
耳元で芹菜がくすくす笑う。
まるで本当に妹と抱き合っている気さえしてくる。

「なんだか都合の良い妄想でもしていませんか?
 私のなかに、おちんちんを入れて
 腰を振って気持ちよくよがらせてる、みたいな。
 くすっ……かまいませんよ、兄様。
 人生最後の射精ですから、それぐらいは許してあげます。
 そうだ……せっかくですから、
 もっとそれっぽくしてあげましょうか」

芹菜の指が、抱き枕に着せたパジャマのズボンの裾にかかる。
ついで、ペニスに引っかからないようにしながら
それが引き下ろされる。
パジャマの下には、ちゃんと下着まで穿かされていた。
パジャマの色と合わせたような、ピンクのショーツ。
そのショーツが指で持ち上げられ、隙間にペニスが導かれる……。

「さあ、目もつぶっちゃいましょう。
 ほら……これでもう兄様は私と交われた。
 私の匂いを嗅ぎながら、私の声を聞きながら、
 私の下着の隙間におちんちんをねじ込んで、
 私の身体のいちばん奥を突いてるんです」

まぶたを閉じた暗闇の中で、芹菜の身体を想像する。
あの華奢な身体を強引に抱きしめて、
そのままパジャマを脱がして、ペニスを突き入れる。
妹の秘所をぐちゅぐちゅと音を立てて犯す。

「兄様、大好きです……大好き、大好き。
 ね、兄様のせーえき、ください。
 私のなかにいっぱい、溢れちゃうくらい、たくさん…♪」

暗闇の中で芹菜が僕に淫らな笑みを浮かべる。
僕の精液をねだって、膣をきゅうっと収縮させる。
ペニスの根元にじわっと射精感がたまりはじめる。

「兄様のおちんちん、気持ちいい…♪
 私のなかが、ぐちゅぐちゅって掻き回されるのが
 すごくて、たまらなくて……あ…ぁ…っ♪」

嬌声を上げながら、芹菜が僕に抱きつく。
一滴の精液も逃すまいとするみたいに足を絡める。
僕はにやつきながら、腰を振る。
膣肉がペニスをぬるぬると擦ってく。
射精の一歩手前まで追い詰められてく……。

「兄様……出してください…♪
 ほら、ちゃんと目を開けて、
 私の顔を見つめたまま思いっきり」

目を開ける。開けてしまう。
抱き枕に抱きついて、腰を振っている自分を思い出してしまう。

「さあ、兄様のせーえき、いっぱいくださいね。
 私の下着の中に、私の枕の中に。
 びゅーびゅー無駄に出しちゃってください」

射精感が膨れる。止まらない。
動かなかったはずの身体が動いて、腰がかくかくと動く。
分かってるのに。芹菜の服を着ただけのものだって分かってるのに。
なのに腰が止まらない。射精感が破裂する…っ…!

「…あ…あぁぁあああぁぁっ!!」

びゅくびゅくと精液が迸る。
射精しながらもペニスを突き入れる。
芹菜の身体じゃないって分かってた。
だけど、それでもいい。気持ちいい。
腰を押し出すたびに、カリ首に下着がぬるっと擦れる。
顔を枕に押しつけて、口づけて、
芹菜の匂いをちゅうちゅうと吸いながら快感に身を任せる。

「……ぁ…………ぁ………」

身体の中がどろどろに溶けて、
そのままそれを垂れ流すような暗く甘い快感。
精液を吐き出すたびに、気持ちよさと虚脱感が強くなる。
気持ちいい………きもちい…い……。

「出しちゃいましたね、兄様。
 でも、気持ちよかったのだからいいですよね」

芹菜がゆったりと、子守唄でも歌うように喋る。

「眠くなったら、そのまま眠ってしまっていいですよ。
 安心してください。ちゃんと最後までそばにいますから。
 言ったでしょう?
 兄様の人生にずっと一緒に寄り添いますって。
 ふふっ……それはもう、あと何分かのあいだ、 
 兄様の命が尽きるまでのことですけれど」

芹菜の手が後ろから伸びて、
僕のまぶたをそっと上から下に撫でる。
深くあたたかい闇が広がる。

「兄様、おやすみなさい」

END