Wedding Present

右腕に走る小さな痛みで、目が覚めた。

「あっ、起きたかなー?
 おはよう、お兄ちゃん」

目を開けると、パジャマ姿の美羽(みう)がいた。
僕のとっても大切な妹。
ふわふわのパーマがかけられた栗毛の髪に、
昔よりにさらに発育良く育った身体つき。
それでいて、天真爛漫な様子は少しも変わらない。

美羽の笑顔に小さく微笑み返しながら、
何気なく美羽の左手に目をやる。
その手には注射器があって、針は僕の腕に刺さっていて。

「――――!」

まどろんでいた意識がいきなり覚醒する。
なにが起こったのかを確かめようとして、
その訳の分からなさに背筋が寒くなる。

僕はソファに座っていて、
右腕には注射針が刺しこまれてて、
それにズボンのジッパーからペニスを露出させていて。
しかも僕の隣では……恋人の綾乃(あやの)が眠ってる。

「ふふっ、お兄ちゃんたらまだ寝ぼけてるのかな?
 ここは私のマンションだよー。
 ほら、今日は結婚祝いのパーティーしてたじゃない。
 綾姉(あやねえ)も一緒に来てくれて。
 ね、思い出してくれた?」

僕の両脚のあいだにしゃがみ込んだ姿勢のまま、
美羽が楽しそうに問いかけてくる。
それでやっと……眠ってしまう前のことを思い出す。

……僕と綾乃はつい先週、籍を入れた。
ちゃんとした式はだいぶ先だけど、まずは僕ら三人だけで
小さなパーティーをしようって話になった。
同い年の僕と綾乃、それに一つ下の美羽は、
小さな頃からいつも仲良くしてきた三人だったから。

一人暮らしの美羽の部屋にお呼ばれして、
手料理を食べて、食後にハーブティーを飲ん…で……。

「……お茶に……薬を……?」

自分でそう呟いてから、はっとして綾乃を見た。
本当に眠っているだけならいい。
だけど、もし。

「あ、お兄ちゃん、私が毒でも飲ませたと思ったでしょ?
 そんなことしないよー。
 綾姉に飲ませたのも、たんに眠っちゃうだけのお薬だよ。
 お兄ちゃんのと種類は違うから、当分起きないけど」

まるで料理の隠し味を教えるみたいに、
あっさりと薬を入れたことを美羽が認める。

薬の入手方法は、なんとなく見当がついた。
普通に進学した僕や綾乃と違って、
美羽は高校卒業後に看護師を目指す道を歩んでる。
きっと薬を手に入れる手段は色々あるんだろう。
だとしたら……。

「ん、やっぱり注射が気になる?
 えっとね、まだ中身は注入してないから大丈夫だよー。
 私もこっちはなるべく使いたくないんだけど、
 どうなるかは……お兄ちゃん次第かな?」

その口ぶりは毒かなにかを窺わせた。
普段なら、どれだけひどい喧嘩になろうと、
美羽がそんなことはしないって信じられる。
だけど、いまは……どんなことでも起こりえる気がする。

「…………なんで……こんなこと……」

「それはもちろん、結婚のお祝いだよー」

そう言って、美羽がごく自然な動作でペニスに右手を伸ばす。
萎えているペニスに、妹の指が吸いつくように絡む。
ひくっ…と、ペニスが小さく反応してしまう。

「私にしかできない、
 本当の結婚祝いをしてあげようと思って♪」

美羽の吐息がペニスに降りかかる。
綿毛で竿をくすぐられるような感触に、
またペニスがひくつきそうになる……。

「お兄ちゃん、綾姉のこと好き?」

わざと吐息をペニスに吹きかけるようにしながら、
美羽が上目遣いで僕に尋ねる。

「あ……当たり前…だろ……」

「あはは、もちろんそうだよね。
 お兄ちゃんが本当に綾姉を好きなの、私にも分かるよ。
 ……だけど、それってずっと続くのかな?
 結婚なんてして、この人を一生愛しますなんて言って、
 ちゃんとそれを続けられるのかなって、
 妹としてはとっても心配だよー」

ペニスに吐息がさらに吹きかかる。
美羽の唇が、少しずつ近づいてるのがわかる。
いつのまにか、ペニスは上向いて固くなりだしてる。
妹の小さくてやわらかそうな唇が、
亀頭までほんの数センチのところにある……。

「だから、お兄ちゃんの気持ちが本物なのかどうか、
 私が確かめてあげる。
 他の女の子を好きになって綾姉を捨てないかどうか、
 じっくりテストしてあげる」

ふーっ…♪と、ひときわ長い吐息が
裏筋を撫でるように吹きかけられる…っ……。

(…ぅ……ぁ……っ…)

半ば以上勃起していたペニスが、びくっと跳ねてしまう。
その勢いで、美羽の唇に亀頭が一瞬触れる。
ぷるっとした柔らかい感触がペニスに当たる。
背筋がぞくぞくぞく…っ!と、異常なほどに震える。

「あは…♪ お兄ちゃんのおちんちん、妹とキスしちゃったよ。
 しかも、自分からおちんちんピクピクさせて、
 キスをおねだりしちゃったね」

くすくすと笑いながら、
美羽が自分の唇を舌でれろり…と舐める。
上唇と下唇を交互に、何度も何度も……。

「ね、お兄ちゃん……おちんちん、ひくひくしてるよ?
 なにかを期待してるみたいに、
 透明なのまで垂れてきてるけど、どうしちゃったのかな-♪」

美羽は舌を小さく突きだし、上下に小さく動かす。
ほんの少し腰を突き出せば、
きっとあの舌で……美羽の舌でペニスを舐めてもらえる。
想像してはいけないのに、そのイメージが頭から離れない……。

「まさか私の口で、おちんちんをペロペロしてもらえるなんて、
 そんなこと考えてないよねー。
 一つ屋根の下で十何年も一緒だった妹の口で、
 精液びゅーびゅーしたいなんて思うはずないよねー♪
 だって、お兄ちゃんにはもう大切な人がいるんだから。
 しかもその人が……すぐ隣にいるんだから」

「…………っ…!」

わずかの間でも綾乃のことを忘れていた自分が、
どうしようもなく許せなかった。情けなかった。
いますぐ舌を噛み切りたい、とさえ思う。

あらためて自分の右腕に視線を走らせる。
注射針は刺さっているけれど、薬液はまだ注入されてない。
力任せに美羽を突き飛ばせば……僕ひとりは逃げられるかもしれない。
だけど、綾乃を置いていくわけには………ひ…ぁ…っ……。

「くすっ……どうしたのかな、お兄ちゃん。
 ちょっと、よだれを私がこぼしちゃっただけなのに。
 それがたまたま、おちんちんに落ちただけだよ?」

そう言いながら、美羽がまた唾液を垂らす。
唇の隙間から、つぷっ…と唾液がこぼれては、
ペニスの尿道口に落ちていく。

ぽたり…ぽとり…と、よだれが何度も落ちる。
唾液の量が増すにつれて、
やがて美羽の唇とのあいだに透明な糸が引かれてく……。

「…………く…ぁ……っ……」

亀頭をねっとりとすべり落ちる唾液の感触に、
思わず声が漏れてしまう。
ペニスが少しずつ妹の唾液に覆われていくことに、
後ろめたい気持ちよさを覚えてしまう…っ……。

「ね……おちんちん、すごく跳ねてるよ?
 やっぱり期待しちゃってるんでしょー。
 こんなこと、されちゃうの…♪」

美羽の唇が、少しずつ亀頭に近づく。
唾液でできた透明な糸が少しずつ短くなり、
ほとんど見えないほどになって。

「ん……ちゅっ…」

鈴口にキスされる。
美羽のやわらかい唇が僕のペニスの先端に吸いつき、
まるで愛おしくすら思っているかのように
優しく何度も口づけされる……!

「……ぁ……美…羽………ぁ……み…ぅ…っ…」

「…ちゅっ……ん……ちゅ…ぷっ……♪
 ……ふふっ、そんなに必死に名前呼ばなくても、
 ちゃんと聞こえてるよ?」

いたずらっぽく笑いながら、
美羽がもう一度ペニスに口づける。
音を立てて鈴口に唇を押しつけ、
さらにそこから唾液を送り込んでくる。

美羽の唾液が僕のカウパーと入り混じりながら、
裏筋をつたい、竿の周囲を流れ落ち、
陰嚢の上にぬるぬると広がっていく……。

(……こんな…こと……だめ……なのに………)

隣で眠る綾乃の、すぅ…すぅ…という寝息が、
かすかに僕の首筋に当たる。
罪悪感が吐き気とともにこみ上げるのに、
なのに……腰から先の快感まで膨れ上がる…っ…。

「……ん……じゅ…ぷっ……ちゅ……♪」

ペニスがひくついたことを感じ取ってか、
美羽が嬉しそうに目をほそめる。

いつのまにか美羽の寝巻のボタンが外れかかっていて、
くっきりとした深い谷間が見える。
妹が成長とともに魅力的な身体つきに育っていくのを、
僕は何年もずっと側で見つづけてきた。

コップにうっすらとついた唇のあとや、
ジュースを何気なく飲み干すようにすら、
いつの頃から色気を感じてしまってた。
そんな美羽にいま、ペニスを舐められて…いて……。

「……あ……ぁ…っ……」

射精感がいきなり膨れ上がる。
舌や唇の動きひとつひとつから送り込まれる快感が、
いままで以上に気持ちの良いものに変わって、
いまにも精液を漏らしてしまいそうになる。

「…ちゅ……おちんちん……根元が震えてる……。
 もしかして、もう精液びゅーびゅーしたいの?
 お嫁さんが隣にいるのに、妹のお口に
 白いどろどろを吐き出したいんだ……ちゅ…ぱっ…♪」

美羽が舌を伸ばし、まるで子犬がじゃれつくみたいに
カウパーごと尿道口をぴちゃぴちゃと舐める。
かと思うと舌の動きが大きくなって、
ぱんぱんに張った亀頭の表面を、れろ…れろり…と優しく舐める。

(……ぁ……射精…したい………だめ…だ……でも……)

射精したい。精液を吐き出したい。
美羽のあったかい口の中に精液をどぷどぷと漏らしたい。
だめだ。そんなのだめだ。僕には綾乃がいるのに。
綾乃が隣にいるのに。僕と美羽は兄妹なのに。

「出しちゃおうよ…♪」

ペニスから口を離して、
上目遣いに美羽が僕に笑いかける。
いつもの明るく朗らかな調子とはまったく違う、
甘く絡みつくような、やらしい声音。

美羽が竿に小さく口づけて、
それから傷を舐める小動物のように、
ぺろぺろと竿の裏側を舐めていく。
そしてまた顔を上げて、僕に笑いかける。

「綾姉がいること、気にしてるの?
 大丈夫だよ……ばらしたりするつもりとか、ないから。
 眠っているあいだになにがあっても、
 知らなかったら起こらなかったのと同じだよ」

唾液とカウパーでどろどろになったカリ首を、
美羽の人差し指がそうっと撫でていく。
身体の芯を溶かすような優しい快感。

「それとも兄妹だってこと、気にしてる?
 くすっ……お兄ちゃんにそんなこと言う資格、あるのかなー?
 だってね……私、知ってるんだよ?」

背中に、じわっと嫌な汗がにじむ。
まさか……。

「お兄ちゃん、昔は私にいっぱい悪さしたよね…♪
 昼寝してる私の胸を触ったり、
 お風呂入ってるのを覗きながらオナニーしたり……」

「………そ…れ……は…っ……。
 だけど……け…ど………手を出したり…は……」

美羽の言ったことは嘘じゃない。
性欲に負けてそういうことをしてしまったことが、
たしかに何度かある。最低だって分かってる。
でも、一線は超えなかった…はずで……。

「ふふっ……じゃあこれも同じことだよ?
 ただ妹の手や口に、少し長く触れてるだけ。
 射精しちゃうのも、オナニーするのとおんなじ。
 だから、今もびゅーびゅーしていいんだよー♪」
 
そう言うなり、美羽はペニスの先端を口で包み込む。
じっとりと蒸れた空気が亀頭にまとわりつく。
頬の内側のやわらかい感触が当たる。
ねとねとに濡れた舌が、裏筋をざらり…と擦る。

「……ひ…ぁ…ぁ……っ……」

気持ち良さに全身が震える。
射精をこらえていた力が抜けていくのを感じる。
もう一度力を入れようとするけれど、
身体が言うことを聞いてくれない。
美羽の目がまた「出していいんだよ」と言ってる。

亀頭を口に含んだまま、ちゅうっ…と美羽がペニスを吸う。
腰が浮いてしまう。
精液がペニスに入り込んでくる。
妹の舌がペニスの鈴口を、れろ、と小さく舐めて。

「……ぁ…ああぁぁぁあぁぁ…っ…!」

どぷん…どぷん…っ…!と、信じられない勢いで
精液の塊が美羽の口に吐き出されてく。
わずかにざらついた舌の上に、
どっぷりとした、ぬるぬるの塊がこぼれていく…っ……。

「んー♪」

美羽が嬉しそうに鼻を鳴らす。
こく…こく…と頭が小さく動いて、精液を飲み込んでく。
そのあいだも、舌が執拗に裏筋を弄ぶ。
精液がとくとくと、蛇口が壊れたみたいに流れ続ける……。

「……すぅ……すぅ………ぅ…ん…………」

不意に……綾乃の身体が、僕に寄りかかる。
眠ったまま、頭を僕の肩にのせるように寄り添う。
さらさらのロングヘアーが、僕の首筋を撫でる。

(……ぅ……あや…の……ご…め……っ……)

泣きだしたいくらいに後ろめたくて、
なのに綾乃のことを意識するほどに、
ペニスの感度がまた膨れ上がる。

どくんっ!とペニスが大きく跳ねて、
収まりはじめていた律動が再開してしまう。
美羽の口の気持ちよさを、また味わうことができてしまう。

「……ちゅ……んっ……ちゅぷっ……ちゅ…ぅ…っ……」

美羽は目をほそめて、
あとから溢れた精液も丁寧に舐めとり、飲み込んでく。

気だるい脱力感とともに、身体がソファに沈み込む。
あたたかい底なし沼に、ずぶずぶと沈んでいくような気がする。
美羽の舌が、いつまでもペニスをねぶりつづける………。
 
 
 
 
     * * *
 
 
 
 
かちかちと掛け時計の音が部屋に響く。
僕の精液をすっかり飲み干した美羽が、
自分の唇を舐める。

ペニスはしぼんでいたけれど、
いまだに美羽の手に握られたままで、
ズボンの中に仕舞うことさえ許されなかった。

「くすっ……お兄ちゃんたら出しちゃったね。
 妹の口になんの遠慮もなく、どぷどぷって。
 なんてひどいことするのかなー♪」

「……っ……それは……だって……。
 美羽が…………出して……いい…って………」

「ねえ、お兄ちゃん。
 私がどうしてこんなことをしたのか、忘れてない?
 私はテストだって言ったよね。
 綾姉への愛を証明してほしいなって思ったから、
 だからあえてお兄ちゃんを試すようなことをしたのに。
 なのに、あっさり欲望に負けちゃうなんて…♪」

妙に楽しげな口ぶりからは、本音がまるで読み取れない。
だけど、美羽がなにを考えていたとしても、
僕はやっぱり……快楽に流されるべきじゃなかった。
綾乃を裏切ったことに、間違いはないんだから……。

「……もう………いいだろう……?
 僕が……最低の人間だってことは……よく分かった。
 綾乃に相応しくないっていうなら、そうだと思う。
 だから、別れろって言うならそうするし」

「違うよ、お兄ちゃん」

萎えたペニスを手の中で弄びながら、
美羽がにっこりと笑う。

「私はべつに、綾姉と別れてほしいわけじゃないよ?
 むしろ妹として、幸せな結婚生活を送ってほしいぐらい。
 だから、お兄ちゃんには、もっと頑張ってほしいの。
 さっきがだめでも、次は我慢できるようにチャレンジする。
 そうやって努力を続けることが大切なんだから」

美羽の表情が、ひときわ明るいものに変わる。
ぱぁっ、と満面の笑顔を見せる。

「ほら、学校のテストで赤点をとっても、
 いきなり退学になったりなんてしないでしょ?
 最初にするのは……追試だよ♪」

右腕に違和感が走る。
自分の身体の中に、異物を流し込まれる感覚……!
美羽の左手は、すでに注射器の中身を最後まで押し込んでた。

どくん、どくん、と心臓が跳ねる。
僕は……なにを…注射され……た……?

「ふふっ……そんなに怖がらなくていいよ。
 遅効性のお薬だから、
 いきなり倒れちゃうなんてことはないよ。
 早めに拮抗薬……ようするに解毒剤を使えば大丈夫」

毒、という部分だけが際立って聞こえた。
かたかたと手が震えてしまい、
僕に寄りかかっていた綾乃が身じろぎする。

「……嘘…だろ……いくら…なんでも……」

「んー、どうだろうね?
 もしかしたらたんなるビタミン剤とか生理食塩水とか、
 そういうものかもしれないよね。
 でも……どっちみちお兄ちゃんは信じるしかないんだよ?
 そして追試を受けるしかないの。
 だって、もし本当に毒だったら死んじゃうんだから…♪」

美羽が注射器を引き抜き、部屋の片隅に放りなげる。
ついで僕の手をとり、立ち上がる。
つられるように、僕もソファから引き起こされる。

「それじゃ再テスト、はじめよっか♪
 ほらお兄ちゃん、綾姉の前に立って」

ペニスをジッパーから露出したままの格好で、
ソファで眠る綾乃の前に立たされる……。

「お兄ちゃん、綾姉に好きって言ってみて」

なんで、と聞き返せない雰囲気があった。
僕は数秒押し黙り……やがてわずかに身体をかがめ、
綾乃の寝顔に声をかける。

「……綾乃……好きだよ……」

さっきまで美羽の口に精液を吐き出していたことを思うと、
どうしようもなく後ろめたかった。
だけど、綾乃に声をかけたと同時にペニスに気持ち良さが走る。
僕の背後に立った美羽が、竿に指を絡めてた。

「良かったね、綾姉。お兄ちゃんが好きだって。
 ……このおちんちんを妹にぺろぺろ舐められて、
 目をとろんとさせながら、びゅくびゅく大量に射精しちゃうくせに
 お姉ちゃんのことが好きなんだって」

美羽はくすくすと笑いながら、
まだ小さいペニスにカウパーを塗り込むように、
くちゅくちゅ…と優しい手つきで擦ってくる。

「さ、お兄ちゃん。もっと好きって囁いて。
 言っておくけど、これは私からのサービスなんだよ?
 いくら性欲にすぐ負けちゃうお兄ちゃんでも、
 お嫁さんに好きって言いながらだったら、
 きっと我慢できるだろうから…♪」

「……ぁ……す……き…ぁ…っ……」

妹の人差し指が、敏感な裏筋を丹念に擦る…っ…。
意思とは無関係に、ペニスが膨らんでく。
またカウパーが溢れてくる。
美羽の指に絡み切れなかった粘液が、
糸を引いて床に垂れ落ちていく……。

「……綾乃………好き…だよ……。
 昔から…ずっと……気になってて……。
 付き合えることに…なって……毎日幸せで……、
 ……結婚が決まった時は……ほんとに…どれほ…ど…っ…」

最後は嗚咽にも似たものになり、声にならない。
本当に僕は綾乃が好きで、その気持ちに嘘はなくて。
なのに、なのに…っ……!

美羽の手がたまらなく気持ちよくて、
ペニスが反応するのをどうしても抑えられない…っ……。
あぁ……気持ちい…ぃ………。

「わ……お兄ちゃんのおちんちん、すごい跳ねてる。
 あ、でもしょうがないよねー♪
 昔からずっと、私とえっちなことしたかったんだもんね。
 私が薄着だと、やらしい目でいつも見てたよね」

「……そんな………こ…と……」

「嘘ついちゃだめだよ、お兄ちゃん。
 私はぜんぶ知ってるって言ったでしょ。
 妹のおっぱいを触ったあとでお部屋でオナニーしたことも、
 シャワーを浴びてる私を凝視してたことも。
 あ、それと…♪」
 
ペニスから美羽の手がいったん離れたかと思うと、
すぐに、ふわっ…となにかで覆われる。
薄いピンク色をしたショーツだった。

「私の部屋のタンスからパンツを盗んで、
 おちんちんをくちゅくちゅ押しつけながら、
 精液びゅびゅーっ…ってしてたことも、よく知ってるよ?
 私の下着、とっても大好きだよねー。
 だから今日も、こうやって用意しておいてあげたよ」

つるつるとした線維の感触が、
がちがちになったペニスの表面を甘く擦ってく。
それだけで、膝から力が抜けて倒れそうになる。

ぜんぶ美羽は知ってた。見られてた。
恥ずかしさで耳が火照って、
だけど同時にペニスが馬鹿みたいにひくひく跳ねる。
美羽は僕がどんなに変態か知っていて、
そのうえで僕のペニスを下着で扱いてくれてる……。

「ふふっ……お兄ちゃん、自分がなにしてるか分かってる?
 パンツでおちんちん擦りはじめたら、
 途端に自分から腰をへこへこ振っちゃってるよ。
 そんなにこれが気持ちいい?
 もしかして、私のパンツの方が綾姉より好きなんじゃないかな…♪」

ペニスにかぶせたショーツを、美羽が前後に動かす。
やわらかい繊維を亀頭が押し上げ、
カリ首の形がくっきりとピンクの布地に浮き上がる。
そこを親指で重点的に擦りながら、竿の裏側も丁寧に撫でられる…っ…。
……ひ……ぁ……気持ち……よすぎ…て…っ……。

「お兄ちゃん、お口が止まってるよ?
 ちゃんと綾姉に大好きって言いつづけないとダメだよー。
 ほんとに妹のパンツの方が好きな変態さんって分かったら、
 そこでもうテストは終わりにしちゃうよ?
 パンツでしこしこ…♪ってしてあげるのも、そこでおしまい」

「……ぁ……ぁ……好…き……綾乃……好き…だよ……好きっ……」

綾乃は変わらず落ち着いた寝息を立ててる。
好き、と呟くたびに、胸の奥が小さく痛む。
だけど、いまは……いまだけは……っ………。

「くすっ……お兄ちゃん、なんだか急にいっぱい喋るんだね。
 ああ、そっか。
 綾姉がどれだけ好きか、あらためて思い出したんだよね、きっと。
 間違っても……おちんちんをパンツオナホで扱いてほしいからって、
 心にもないこと喋ってるわけないよねー♪」

まるで僕を試すように、
美羽の指の動きが少しずつゆったりしたものに変わってく。
こしゅこしゅ…という軽快な衣擦れが、
しゅる…しゅる……と、かすかな音になっていく。

「……ぅ……美…羽……やめ…な……い…で……」

「んー、お兄ちゃんがちゃんと綾姉を好きって
 私に示してくれたらやめないよー。
 でも、好き好きってただ言うだけじゃ、もう信用できないよ?
 もっとはっきり、目に見える形で示してくれないと」

美羽の左手が、僕の背中をそっと押す。
上半身が前のめりになり、
バランスを取ろうとソファの背に両手をついてしまう。
僕の腕のあいだに、まさに目の前に……綾乃の顔が見える。
それこそ……いまにも唇が触れあいそうな距離。

「ね……もう分かっちゃったかな?
 愛を証明するとっても分かりやすい方法、あるよね。
 結婚式でも愛を誓うときにすること。
 それを見せてくれたら……最高に気持ちよくしてあげる♪」

うっすらと口紅を塗った綾乃の唇が、
呼吸にあわせるように小さく上下してる。

(……このまま………綾乃に……キス…を……?)

綾乃に口づけたことは、もちろん何度だってある。
だけど、いまこの状況では……しちゃだめだ。
なにより深く、綾乃を裏切ることになる。
そのことだけは、はっきり分かる。

「あれ……お兄ちゃん、どうしたの?
 綾姉にキスしてみせてくれないの?
 ホントは綾姉のこと嫌いだったのかなー。
 そんなことないよねー♪」

カウパーを吸い込んで湿りはじめたショーツを、
美羽がまたやらしい手つきで動かしはじめる。
濡れた布地がぺったり貼りついたまま引きずられる感触も、
まだ濡れていない部分でしゅるしゅると擦られるのも、
どっちも信じられないほど気持ちいい……。

「……ぁ………は…ぁ……っ……」

まるで獣のような荒い息が漏れてしまう。
美羽の手はしなやかに動きつづけるけれど、
でも絶頂にはどうしても足りない……。
行き場のない射精感が、ペニスの根元で蠢く。

「キスしないなら、それでもいいよ…♪
 ただ、ずーっとこの状態が続くだけ。
 そのうち、綾姉も起きちゃうんじゃないかな?
 あ、それとも……お兄ちゃんに毒が回るのが先かな?」

キスなんて……しちゃだめだ……。
………だけど…綾乃が起きてしまう方が……よくない……。
毒を……飲まされてるんだから……仕方が…なくて……。
……気持ちよくなりたいからじゃ……ない………。
こうする……しか………。

美羽が僕に身体を押しつける。
背中に、むにゅっ…と、おっぱいの柔らかさが当たる。
ペニスから、大量のカウパーが溢れるのを感じる。
綾乃の唇に……口づける。

(………ぁ……ごめ……っ………)

生あたたかいぬかるみに沈んでいくような後悔。
美羽の手が、嬉しそうに踊り出す。
ピンクのショーツが、ペニスを隅々まで撫でていく。
竿をにゅるり…と撫でる感触がたまらない。

ペニスが痙攣したように震える。
身体が射精に向けて、きゅうっと収縮する。
あぁ……綾乃がいる…のに……っ……。
もう……出…る……出ちゃ…う…っ…。

「いっぱい出していいよ、お兄ちゃん♪」

視界が暗闇に閉ざされる。
美羽の左手が、僕の両目を覆ってた。
なにも見えない。

「本当はずっと、こうしたかったんだよね?
 私が制服を着てるのを見るたびに、
 スカートの下からパンツがちらちら見えるたびに、
 あそこに射精いたいって、ずっと思ってたんでしょ?
 うん……いいんだよ、思いっきり出して。
 だって」

耳元にあたたかな吐息がかかる。
優しい声が聞こえる。

「私はお兄ちゃんのこと、大好きだから」

暗闇のなかで、口づけている相手が美羽にすり替わる。
美羽の唇に触れているのだとしか、思えなくなる。

ショーツが尿道口にぴったりと重ねあわされる。
きゅ…きゅっ…っと、鈴口を磨くみたいに小さく上下に擦られる。
ぬるぬるの感触に身体の力が抜け…て……っ……。

……びゅくっ……びゅぶっ…ちゅっ……どぷっ…!

やわらかい布地に押しつけるようにして、
大量の精液が吐き出される。
暗闇のなかで、美羽が僕にまた「大好き」と囁く。
かくかくと膝が震えて、また精液がこぼれてくる。

「うんうん、たくさん出てる…♪
 いいんだよ、どれだけいっぱい出したって。
 ぜんぶ、私のパンツで受け止めてあげる」

ショーツの布地をペニスの先端に寄せて、
くしゅくしゅ…と、美羽が何度も亀頭を擦る。
精液がどろりとまた腰の奥深くから流れ出てくるのを感じる。
美羽がぜんぶ受け止めてくれるという安心感のなかで、
にやけながら精液を吐き出す。

「お兄ちゃん、とっても大好きだよ。
 ねえ……お嫁さんの目の前で精液を垂れ流しちゃう、
 人でなしのお兄ちゃん…♪」

僕の目元を覆っていた美羽の左手が……外れる。
綾乃の寝顔が視界いっぱいに広がる。

背筋がまた快感で震えて、精液が溢れだす。
甘ったるいヘドロに沈み込むような快楽が、
あとからあとから湧いてくる。止まらない。
……ぁ……僕は……僕…は…………。
 
 
 
 
     * * *
 
 
 
 
――ああ、そうだ。忘れてた。
テストの結果を教えてあげないとだめだよね。
うん、合格だよ。
お兄ちゃん、おめでとう。
あ、毒なんて最初から入れてないから大丈夫。

くすっ……どうして合格かって?
だってお兄ちゃん、とっても後悔してるでしょ。
死んでしまいたいくらいに、後ろめたいよね。
それは……綾姉を好きって気持ちがあるからだよ。
ちゃんと綾姉を愛してる証拠だよ。
その気持ちがあるかぎり、大丈夫。

……ただね、そういう気持ちはとっても壊れやすいの。
知らず知らずのうちに消えてしまったりするの。
だから本当になくなっていないかどうか、
いつも私が確かめてあげる。
妹として、お手伝いしてあげる。

ずっとずっと、綾姉を好きな気持ちが消えないかぎりは。
お兄ちゃんが私を好きになってしまうまでは。
そうなってくれるまで、ずっと…♪

END