いもうと倒錯中 – 3日目 –

今日もまたリビングに下りる。
早弥はすでに起きて、ソファに寝そべってテレビを見てた。
相変わらず両親は仕事で、僕たちは試験休み。
部屋の中には怠惰な空気が流れてる。

テーブルの上には空のペットボトルが置いてある。
でも、薬を飲んだだろうか、と気になったりはしない。
そもそも今日は薬を入れていないから。

だらしなくソファに横になる早弥を見ていると、
昨日のことを思い出さずにはいられない。
ローションの粘っこい感触、妹のやらしい笑い顔。
数時間にわたり延々と精液遊びにふけったことを。

とてもとても気持ちよくて……そして少し怖くなった。
あまりに早弥の性格が変わっていってしまうことに。
たった二回の薬で、こんなにも淫らになるなんて。

だから今日は薬を入れなかった。
オナニーの手伝いもしてもらわない。
……そのつもりだった。

「早弥、隣いい?」

妹に声をかけると、かるく視線が飛んでくる。
とくに軽蔑もなく、かといって性的な感じもなかった。

「お兄ちゃんは嫌いなのだと思うけど」

そう言いながらも、半身を起こして場所を作ってくれる。
テレビで流れているのは、B級もののアクション映画だった。
たしかにあんまり好きじゃない。
けど、僕は映画を見るために座ったわけじゃなかった。

オナニーの手伝いはしてもらわないと、そう決めた。
決めたけど……早弥の姿を見ると決意が揺らいでしまう。
ゆるんだパジャマの胸元や、袖口から伸びる華奢な手首。
こんな素敵な身体が近くにあるのに、
なにもせずに立ち去るなんて……できない。

テレビのなかで銃撃戦がはじまる。
早弥はポテチをつまみながら、熱心に見入っている。
胸元をのぞき込んで見るけれど、なんの反応もない。
巨乳というわけではないけれど、
でも順調に成長している形の良い胸がのぞいてる。

パジャマの上から早弥の太ももを撫でてみる。
だけど、やっぱり反応しない。
触られてるのは知っているけど興味がない、そんな感じ。

太ももから少しずつ手を動かす。
腰…お腹……それから胸にかるくふれてみる。
そこではじめて、妹が身をよじった。

「お兄ちゃん……もしかしてオナニーしたいの?」

画面から目を離さないまま、そっけない様子で言われてしまう。
あわてて手を離して、戸惑いながらも……うなずく。

「……別にいいけど。
 いまは映画見てるから、あとでね」

昨日とはまるで違う平坦な声だった。
やっぱり薬を入れてないせいなのか……よくわからない。
ただ、少なくとも拒まれてはいなかった。

テレビに集中しようとしてみる。
だけど隣で動くやわらかくてあたたかいものが、それを邪魔する。
柑橘系のジャムみたいな匂いが妹からする。
ペニスがぬくもりを求めて脈打つ。
映画の主人公が犯人と交渉しているけれど、
そのやりとりがあまりにもどかしい。

また太ももをさすってみる。
そういえば……いままで早弥の身体にはさわれなかった。
言葉や道具で遊ばれていただけ。
でも今日は、いくら触っても怒られていない。

そう気づいた途端、歯止めがきかなくなった。
早弥の寝巻きの裾から手を差し込み、じかに足を撫でてみる。
手の平の形にそっと沈み込む肉の感触がたまらない。
何度も何度も撫でこする。

「早弥……やっぱり我慢できない」

いまいいところだから、という短い返答だけがかえってくる。
だけど、映画が終わるまでなんて待てそうにない。

「お願い、早く……して…ほしい」

「しつこいなぁ……じゃあ、好きにすれば。
 私は映画見てるから、
 お兄ちゃんは勝手に私の身体使ってオナニーすればいいでしょ」

「……勝手に?」と聞き返した。
だけど早弥はもう僕の方を見もしなかった。

好き勝手に……自由に早弥の身体をいじれる……?
ペニスがびくびく蠢く。窮屈さに耐え切れなくってズボンを脱ぐ。
尿道口からは、すでに透明な液体が漏れていた。

「いいんだよね…? 勝手に触ってもいいんだよね……?」

何回も確かめながら、おそるおそる早弥の身体を抱きしめる。
首筋に鼻をくっつけて甘い匂いを吸い込む。
亀頭が妹の寝巻きにこすれて、汚い染みを作っていく。

抱きしめていた手を離して、今度はパジャマの下を脱がしにかかる。
早弥は迷惑そうにしながら、でも僕の作業を手伝ってくれる。
妹の下半身があらわになる。
たまらずペニスの先端を足にぎゅうっと押しつける。

「早弥の足、気持ちいい……よっ………」

うわごとのように妹の身体の気持ちよさを口走る。
早弥は相変わらずの無表情で、なんの抵抗もしない。
白い肌に光沢のあるカウパーがべっとり広がっていく。
裏筋がぬるぬるですべって、肉棒が足の上で暴れてしまう。
それで早弥の両肩にしがみついてペニスを押さえつける。
快感を求めて、妹の生足の上でひたすら腰を振る。

「あ……いいとこだったのに」

早弥が不意に呟いた。
どうやらコマーシャルに入ってしまったみたいだ。

「ねえお兄ちゃん、CMのあいだだけ手伝ってあげようか」

妹の目がわずかに切れ長に細められる。
人差し指が伸びてきて、亀頭の上にそっと置かれる。
それから指がぐっと押しつけられる。
ペニスの先から液体を絞り出すみたいにぐいぐい押される。

「こうやって手伝ってほしかったの?
 たった三十分も我慢できないなんて……だめなお兄ちゃん」

強烈な刺激が来て、身体が跳ね上がった。
早弥が爪で雁首を引っかいていた。
かりかりと、垢をこすり落とすみたいに小刻みに指が動く。

「やめ……やめ、て………っ」

雁首があっというまに赤く腫れていく。
思わず腰を引いて、早弥の爪から逃れる。

「んー? 早く射精したかったんじゃないの?
 早くしないとCM終わっちゃうよ」

指がさらに伸びてきて、今度は五本の指で優しくさすられる。
ふにふにと竿が圧迫されて、また快感が戻ってくる。
だけど今度は刺激が弱すぎて物足りない。

もうちょっとだけ強く、と言いかけたところで妹の動きが止まる。
手がペニスから離れて、視線がテレビに戻る。
映画の続きがはじまっていた。

「早弥、もうちょっとだから……もう出るから。
 ねえってば、あとちょっとだけ……あとちょっとだけして……」

みっともなくお願いするけれど、もう返事はない。
三度ほど懇願したところで、早弥は自分の太ももを指差した。
ここですればいいでしょ、とでも言うように。
それはやっぱり嬉しくて、でも悔しくて。
僕は思いっきりペニスをこすりつけた。

早弥にすがりつくみたいにして肩を抱き、
胸元に顔をうずめながら、やわらかい太ももで性器をこする。
射精のうずきがすぐにやってくる。
見上げても、早弥は僕に一瞥もくれない。
そのことへの苛立ちをぶちまけるみたいに妹の足を犯す。
根元が震えて、精液が身体の奥から流れてくる。

射精の直前、亀頭の先を早弥の股間に向けた。
かすかに青みがかったパンツに尿道口を押し当てる。
レースの刺繍が裏筋を引っかいて……射精する。

どろどろの液体がレースに絡みついていく。
律動が続くあいだ、必死にパンツのあちこちに精液をなすりつける。
射精されても目線すらくれない早弥がうらめしい。
汚してやる、犯してやる、そんなことばかり頭のなかで繰り返しながら
妹の下着をぐちょぐちょにした。

「ん……終わった?」

射精が終わったところで問いかけられた。
とっさに反抗的なことを口走ってしまう。

「まだだよ。もっと……もっと出すから」

「ふぅん……じゃあ、お好きにどうぞ」

早弥はリモコンを操作してテレビの音量を上げる。
部屋のなかでの僕の存在がさらに小さくなる。
いらいらした気持ちがまた湧き上がってくる。

……妹の身体をソファに押し倒した。
それでも早弥はたいした反応を見せなかった。
テレビが見にくいなとばかりに眉をしかめて、首を横に向けただけ。

「おっぱいで……オナニーするから」

低い声で言ってから、妹のパジャマのボタンに手をかける。
ボタンを外している途中も、弾力が布の向こうから伝わってくる。
射精した事実を忘れてしまったみたいにまたペニスが勃起する。
むにむにと胸元を変形させながら、ボタンをさらに外していく。

前を開くと、やわらかそうな乳が目の前に広がる。
ブラジャーもつけておらず、淡紅色の乳首も丸見えだった。
早弥の腰に馬乗りになり、ペニスを胸のあいだに置く。
胸を鷲づかみして、肉棒にぎゅうっと寄せる。
寄せてもペニスが隠れるほどにはならない。
それでも両側から押し寄せてくる柔らかさだけで、
たとえようもなく気持ちよかった。

妹の胸を道具にしてオナニーしているという事実に、
思考がだらしなくゆるみ、唇からよだれがこぼれる。
谷間に唾液とカウパーが溜まってさらにぬめっていく。
手のひらで乳首を押しつぶしながら、遠慮もなく腰を振る。

「早弥のおっぱいでパイズリしてるよ……!
 気持ちいいよ、早弥、これ……良すぎるよ……」

なんて醜い台詞だろうか、と自分でも感じる。
でも今はその醜悪さを早弥にぶつけてやりたかった。
軽蔑でもなんでもいいから反応してほしい、とさえ思う。

だけど早弥はなにも言わない。
テレビではまた撃ちあいがはじまり、
バン…パン…という銃声ばかり聞こえる。
その音に合わせるみたいにして胸を犯す。

肉棒を胸のあいだに押し込むたび、
粘液にまみれた乳がねっとり密着してくる。
亀頭が舐められてるみたいにあたたかさに包まれ、
それからまた解放される。

じゅぽ、ちゅぽ……と谷間で水音が響く。
透明だったはずの液体が、こまかく泡だって白く濁ってる。
さっきこぼした精液と早弥の匂いが混じって、
そこら中からいやらしい匂いがする。

射精感がまたこみ上げてくる。
このやらかさのなかに精液をぶちまけることを想像して頭がくらくらする。
両胸を外側からさらにつよく寄せる。
早弥のおっぱいが竿の側面にだらしなく伸び広がるのを感じる。
もう出てしまう……出ちゃう……!

バチン、と低い電子音を立ててテレビが消えた。

早弥がリモコンを使って電源を消した。
一瞬、腰の動きが止まる。
それから遅れて、早弥が振り向いてくれたのだと思った。
あまりに情けない僕を見かねて手伝ってくれるのだと思った。
けど。

「どいて」

……なんの反応もできなかった。
やがて早弥は僕の腕を振り払った。
寄せられていた胸が両脇にながれて、
射精もしないまま汚らしく勃起したペニスが残される。

「ああもう、こんなに汚して……これから出かけるのに」

「…………でかける? ……どこに?」

「カナから数学のノート借りっぱなしだったの思い出したの。
 忘れないうちに返しにいかないと。
 それに昨日汚された制服もクリーニングに出したいし。
 ほら、これどけてってば」

僕の腿がかるく叩かれる。
つい腰を上げて、早弥のことを自由にしてしまう。

「じゃあ私、着替えるから」

早弥は立ち上がると二階へ消えていく。
脱いだパジャマもちゃんと拾って持っていった。
僕はリビングに取り残されたまま、しばらくほうけていた。

頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
どうしてこうなったのかという疑問や、
早弥に見捨てられたのかという不安、
射精できないままだった歯がゆさ、
そんなものが絡み合う。

どうしたらいいんだろう。
いまから薬を混ぜる?
だめだ、早弥はすぐに出かけるのにどうやって。
諦めて部屋で自分を慰める?
たぶん、それが正しい。そうするしかない。

ズボンを穿きなおそうとしたけれど、
ペニスが勃起しているせいで上手くいかない。
諦めて、服を手に持ったまま立ち上がる。
 
 
 
階段を上がり、廊下を歩く。
早弥の部屋の前を通りすぎる。
……通り過ぎようとして、立ち止まってしまう。

鍵はかかっていなかった。ドアはあっけなく開いた。
早弥は着替え中で、ちょうど精液で汚れた下着を脱ごうとしていた。

ドアが開いたことに気づいて、早弥が振り返る。
でも悲鳴を上げるわけでもなく、嬉しそうに笑うわけでもない。
部屋に入っていっても、眉ひとつ動かさない。

妹の部屋に入るのも数年ぶりだった。
女の子特有の甘い匂いが立ち込めてる。
そのなかに淫らなものを感じてしまうのは、
昨日汚したスカートとかが散乱しているからだろうか。

「お兄ちゃん……どうしたの?
 今日はなんかしつこいね」

「それは早弥がしてくれないから……!」

思わず声を荒げた。
自分勝手なことを言ってるのは分かってる。
薬で妹をおかしくして、それでいて妹になぶられて。
そのくせたっぷり苛められなかったら文句を言って。
何様だ、と自分に思う。
思うけど、でもやっぱり気持ちよくなりたい……。

「してあげない、とは言ってないでしょ。
 ちゃんとお兄ちゃんのオナニー手伝ってあげる。
 でも、私にも気分の乗るときと乗らないときがあるの。
 今日はあんまり楽しくないの。
 それに、さっきも言ったけど用事があるから。
 帰ってきたらしてあげるから待っててよ」

言い捨てると、さっきの下着を脱ぎ捨てて、
新しい白いパンツに穿きかえた。
それから姿見の前で、外出用の服を選びはじめる。

視界のなかで綺麗なお尻が揺れる。
勃起したままだったペニスにさらに血が流れ込む。
理性の糸が頭の中でぷちぷちと切れていくのを感じる。

「やっぱり……やっぱり我慢できないよぉ……」

駄々っ子のように拗ねた声が自分の口から漏れた。
それで次の瞬間には妹の背中に抱きついていた。

「そんなにしたいの?
 ……私が着替える前に済ませてね」

早弥はまるで僕なんかいないみたいに、また服を選びはじめる。
クローゼットと姿見の前を何度か往復する。
そのあいだ僕は妹のパンツにペニスをこすりつけ、必死に快感を貪る。

妹が歩くたびに、隙間を一ミリでも作るまいとくっつきながら、
一緒に歩いてはこすりつける。
手を伸ばしておっぱいを背後から揉み、
肩に口づけをしてちゅうちゅうっと吸う。

「あ……もう、肩口が開いた服着れなくなるでしょ」

口づけされたことだけ少し怒られる。
でもほかはなんにも言われない。
パンツとお尻の隙間に肉棒を差し込む。
つるつるとした布地の感触と弾力のある肉に挟まれて
ペニスがひくひくと震える。

「ああ、ここも汚されたんだっけ」

ティッシュを手に取るために、早弥が身体をかがめる。
それに合わせてお尻が動き、
亀頭がパンツの裏地と激しくこすれる。
隙間からペニスが抜け出そうになって、
あわててさらに腰を押しつける。

早弥がティッシュで僕のカウパーを拭き取る。
その様子が姿見のなかに映りこんでる。
胸が揺れて、小さな乳首が見え隠れする。
妹の無防備な姿を覗き見てるみたいに錯覚して、
でも現実にはその身体を射精道具がわりにしてる…!

「ん……これにしようかな?」

白のチュニックを手にとって、少し悩むそぶりを見せる。
もう少しでこの時間が終わってしまう。
早弥の着替えが終わる前に射精しなくちゃ。

乱暴と言っていいぐらいに、勢いよくペニスを動かす。
新しく穿いたばかりの下着が、
すでにカウパーに濡れて染みになっていた。
濡れて透けた布地から、うっすらと亀頭が見えている。
早弥の尻を汚しているんだと、いまさらに自覚する。

「よし、これ着ていこ」

最後にもういちど早弥の身体を味わうように、
後ろから両手で腰を抱きしめる。
うなじに頬をくっつけると早弥の匂いがまたする。
顔に妹の髪の毛がさらさらとかかる。
この綺麗な身体を、僕は。

「お兄ちゃん、まだ?」

その一言で……射精してしまう。
快感が限界まで膨らんで破裂する。

……じゅちゅっ…!……ずちゅるるっ……ずびゅっ……!

早弥のパンツのなかで音を立てながら精液が放たれる。
布地の上にまで濁った精液が染み出てくる。
一日分の精液をぜんぶ出しておこうとするみたいに、
何回も亀頭が膨らんでは体液を吐き出していく。

「……これで満足できた?」

どこか事務的とすら思える口調で問われる。
僕はただ弱々しくうなずくしかなかった。
快感と疲労で立っているのも苦しくて、床に座り込んでしまう。

放心している僕をよそに、早弥はまた下着を取り替えると、
さっき決めた服に手早く着替えてしまう。
それから鞄にノートを入れ、スカートを袋詰めにすると
さっさと部屋を出て行ってしまう。
 
 
 
……あとには僕だけが残される。
妹のベッドにくずれ込みながら、
どうしてこうなったんだろう、とぼんやり思う。

たぶん薬を与えなかったことが原因なんだろう。
だけど、この先どうすればいいんだろうか。
薬を盛るのを一切やめる? それとも逆に薬を与えつづける?
……わからない。

疲労感がひどくて思考がまとまらない。
少し眠ろうと思った。
まぶたを閉じると、早弥の匂いだけが感じられる。

妹の匂いに包まれて……僕はゆっくり眠りに落ちた。

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