『教祖様のおとしかた』 第2話 夢の中で

ベッドの上で、ふと目が覚める。
室内は真っ暗で、外も静かだった。まだ真夜中だ。

ぼんやりと暗い天井を見つめながら、
数時間前の自分の行動を思い返す。
……僕は、あの映像を見ながらオナニーしてしまった。
一度で収まらず、二度、三度と。

さすがにオナニー自体がはじめてだったわけじゃない。
性欲を処理するため、と自分を納得させて射精したことは
いままでにも幾度もあった。
だけど……過去のそれらとは比べ物にならないほどの、
強烈な気持ち良さだった。
しかも性欲を駆り立てられてしまった相手は、
……信者の女の子なのに。

彼女の名前は――春野菜々美(はるのななみ)。
途中からは、その菜々美という名を何度も呼びながら、
みっともなく果ててしまった。
罪悪感が、いまも胸の内でどろどろと淀んでる。

(だめだ……早く眠り直さないと)

明日は日曜で、この土日は続けての集会になる。
また壇上に立って話をしなければならない。
教祖としてボロが出ないように、
せめて体調だけでも整えておかないと。

(…………?)

まぶたを閉じた……つもりだった。
だけど、まだ天井が薄ぼんやりと見える。
目をつむることが、できない……。

カチャリ、と音がした。
……ドアの鍵が開いた?
ついで、廊下の明かりが部屋にほそく差し込む。
誰が部屋に入ってくる。
なのに、なぜかそちらに顔を向けることすらできない。

誰かが、ベッドの脇に立つ。
布団が剥ぎ取られる。
冷たい空気に、全身がぞくりと震える。
僕は裸だった。
そして、ペニスだけが勃起してる。
なんだ……なにが起こって……。

「教祖様……おちんちん、勃起してます。
 とっても興奮なさってるんですね」

僕の耳元でそう囁いてから、
あの女の子……菜々美がベッドに乗ってくる。
彼女も裸だった。
さんざん妄想の中で汚してしまったおっぱいが、
また視界の中で揺れる。
菜々美が、僕の身体をまたいで四つん這いの格好になる。

「教祖様、どうしてそんなに興奮なさってるんですか?
 なにか……やらしいものでも見ましたか?
 私、そんなものをお渡しした覚えはないのに……♪」

吐息が顔の上に落ちてくる。
かすかにあったかくて、女の子の良い匂いがする。

「まさかと思いますけど……。
 あの動画で……オナニー、したんですか?
 私が着替えてるところ見ながら、しこしこって……♡」

菜々美が右手を僕の前に掲げて、
見せつけるように上下に何度も動かす……。

「あれは……そういうためのものじゃないんですよ?
 お祈りして……そのあと着替えただけ。
 一日を隅々まで記録するために仕方なく、です。
 なのに、えっちな目で見ちゃったんですか……♡」

菜々美が、いきなり僕の身体に倒れこむ。
布団を剥ぎ取られて冷えはじめていた僕の身体に、
女の子の体温とやわらかさが密着する。
それにペニスの上に、彼女の太ももがぴとって……っ…。

「おちんちん、ガチガチすぎます…♡
 寝る前にいっぱい、びゅーびゅーってしてたのに、
 また出したくなっちゃいましたか?」

ペニスがびくりと跳ねかけて、
でも菜々美の太ももに押さえつけられてて動けない。
彼女の瑞々しい柔肉に、亀頭がぎゅうっ…と、埋まる。
たちまちカウパーが溢れる。
太ももが、にゅるにゅると擦れる。
精液がこみ上げそうになる。

いけない……射精だけは避けないと……。
妙にぼんやりしたままの頭で、でもそれだけは強く思う。
これはもうオナニーですらない。
いま射精してしまったら、取り返しがつかない過ちになる。
我慢、しな……きゃ……。

「ふふっ……射精しちゃだめだって、
 思ってらっしゃるんですよね?
 そうですよね……さすが教祖様です。
 でも……」

菜々美が僕の身体に寝そべったまま、
ゆったり自転車を漕ぐみたいに片脚を回す。
太ももの下で、竿がにゅるり、にゅるりと、かき回される。
射精感がどんどん大きくなってく……っ。

「ここには……私しかいませんよ?
 教祖様が私の裸を見ながらしこしこ…ってしたのも、
 私の足におちんちんくっつけて喜んでるのも、
 どぷどぷしちゃうのも……。
 知ってるのは私だけです……♡
 他の誰にも、言ったりしません……♡」

菜々美が身体をくねらせる。
おっぱいが僕の身体にくっついては、すべってく。
むにゅり、ふにゅり……ぷにゅっ……と、
乳肉の甘くてやらしい快感が這い回る。

あの映像を必死に見ながら、
何度も何度も感触を想像したおっぱい。
それが僕の身体に、たっぷりと押しつけられる。
女の子の足の下で、亀頭がぷっくり膨れる。
太ももに跡が残りそうなほど、強く押しつける。

「だから、いまだけはいいんですよ。
 出しちゃってください……えっちな教祖様……♡♡」

(あぁあぁぁぁあぁぁ……っ…!!)

精液がぶちまけられる。
カウパーでとろとろに濡れた太ももの下で、
ペニスが暴れ回る。
精液でさらに滑りが良くなって、
太ももを味わい尽くすように右へ左へ密着する。

あまりの快感に叫んでしまったつもりが、
なぜか喉が枯れたように声が出ない。
菜々美の身体を抱きしめたいのに、
おっぱいを手でも触ってみたいのに身体が動かない。
そのもどかしさの中で、
腰から下だけが、どくどくと精液を放ちつづける。

いくら出しても、精液が止まらない。
そうなることが最初から分かってたみたいに、
菜々美は太ももを動かしつづける。
また背筋が一際ぞくりと震えて、射精する。

「いっぱい……いっぱい出しましょうね……♡
 えっちなことに弱い、だめ教祖様……♡♡」
 
 
 
 
 
 
「…………」

股間の気持ち悪さで、目が覚めた。
今度こそ……本当に夢から醒めていた。
部屋は真っ暗だけど、もちろん他には誰もいない。

上半身を起こして、自分の手で布団を剥ぐ。
ズボンと下着を少し下ろすと、
途端に……生臭い匂いが一気に広がる。
暗闇の中でもなんとなく見えてしまうほどに、
精液がべったりと下着にこびりついてる。

しかも……ペニスはまだ完全には萎えていない。
わずかだけど、硬さを残してる。
いまでも、まだオナニーできてしまうだろう。
視線がノートパソコンの方向にちらりと走って、
それから……不意に、吐き気がせり上がった。

「………ぅ………ぇ……」

低いえづきが漏れる。
本当に吐いてしまうことはなかったけれど、
その一歩手前の不快感が腹の中を満たしてる。

信者の子の映像で勝手にオナニーして、
あまつさえ夢の中でまで射精するなんて……。
どうか……してる………。
 
 
 
     * * *
 
 
 
「――以上のように、欲にまみれてしまった人間の
 行き着く先は悲惨なものです。
 この話を、いま一度自身の生活を見直すきっかけに
 していただければと思います。
 では……本日はここまでとなります」

壇上で、そう話を締めくくる。
普段なら、形ばかりの話をしてる…と虚しくなるところだ。
だけど……僕自身が欲にまみれた一夜を過ごしてしまったいまは、
ひたすらに後ろめたかった。

講話を終えたのにあわせて、集会場に集まった人々が
壇上の僕にしずかに頭を下げる。
その中にはあの女の子……菜々美の姿もある。

日曜だというのに、わざわざ制服を着て来ていた。
白地に赤いスカーフ、紺のプリーツスカート。
よくある典型的なセーラー服なのに、
あの映像で何度もオナニーに耽ったせいか、
見ているだけで妙な気分になりそうになる。

(……早く帰ろう)

集まった人達が再び頭を上げてしまう前に、
僕はゆっくりと袖の方に移動する。

今日の集会は、これで終わりだった。
やがて皆が席を立つのを確認して、僕も裏口から外へ出る。
信者の誰か……というより、菜々美に会うのを避けたかった。

集会場のある本館から、
僕が寝起きしている住まいでもある別館へと移動する。
玄関から中に入り、ドアを閉め、鍵をかける。
そして……やっと大きく息を吐く。

「…………はぁ……」

そのまま靴を脱ぎ、のろのろと廊下を進んで
リビングになんとか辿りつく。
ソファにどさりと腰かけると、
クッションに身体が沈み込んでく。

どうにか集会を無事に終えられた。
その安堵と疲労で……しばらくぼんやりしてた。

……やがて、階段を下りてくる足音が聞こえた。
誰なのかは考えるまでもない。
普段この別館に出入りするのは、僕と姉さんだけだ。

「お疲れ様ー…♪
 って……わ、どうしたの……?
 すごい疲れてるみたい」

「あー……うん、ちょっと寝不足で。
 まあ、大丈夫。
 そんな心配してもらうほどのことじゃないよ」

深雪姉さんに、とりあえずそう返す。
声に力がないのは、さすがにばれてると思うけど、
そこで虚勢を張るほどの元気はなかった。

「そっか……。
 でも、あんまり無理しちゃだめだよ?」

僕が無理して教祖の仮面をかぶっていることを、
姉さんだけは知っている。
賛同はしていないにしろ、理解してくれてる。

だから姉さんは、こういうとき僕に多くを尋ねない。
かわりに、黙ってコーヒーを淹れてくれる。
すぐに香ばしい匂いが漂ってくる。

「はーい、いつもの特製ブレンドだよー」

「ん、ありがと」

カップを受け取り、冷ましながら少しずつ飲む。
集会のあとは、こうして姉さんと二人で、
ささやかなお茶の時間を楽しむ。
それがお決まりの、でもとても幸せな時間だった。

ただ……だんだん頭がぼんやりしてくる。
結局、昨晩はほとんど眠れなかった。
それがいまになって、強烈な眠気になって……。

「……――くん?」

「…ぁ……う、ん………?」

「ふふ……眠くなっちゃった?
 今日はほんとに疲れてるみたい……。
 いいよ、少し寝ちゃっても。
 なにか掛けるもの、持ってきてあげる」

姉さんの声に甘えるように、まぶたを閉じる。
たちまち、泥のような眠りに引きずり込まれてく……。
 
 
 
     * * *
 
 
 
股間をなにか、気持ちの良いものが這い回ってる。
ほそくて、すべすべで、幾つもの……。
これは……女の人の指……?

(…………!?)

意識は浮上したのに、
まぶたが異様に重くてすぐには開けられない。
自分がなにをしていたのか、思い出す。
集会のあとで、姉さんとお茶して、そのまま……。

(じゃあ、この指は……)

ペニスが根元からびくりと跳ねる。
勃起してる。
そして誰かがペニスをズボンから取り出し、撫で回してる。
まさか、まさか……姉さんが……。

ゆっくり目を開ける。
まぶしさで目の前の誰かが一瞬シルエットのように見え、
ついで……菜々美の姿になる。

(なっ……なんで……っ…)

さきほど集会場で見たとおりのセーラー服姿だった。
その格好のまま、ソファに座る僕の両足の間にかがみ込んで、
ペニスを弄んでいた。

(これは………夢だ)

そう考える以外、説明がつかない。
菜々美がここにいるはずも、こんなことをするはずもない。
僕はまた、彼女の夢を見てしまってる。

「教祖様……今日はお話、ありがとうございました。
 お話されてる姿、とってもカッコ良かったです……♪」

菜々美の指が、すりすり…と竿を縦に撫でる。
どこか甘えてくるような、やわらかい指づかい。
すでに勃起しているペニスが、
さらに、ぎちぎちと上を向いていく……。

「私、入信したきっかけ、教祖様に憧れたからなんです。
 年も私とそんなに変わらないのに、
 立派にお話されて、みんなを導かれて……素敵だなって。
 きっと……好きになってしまったんです」

菜々美が、僕に都合の良い言葉ばかり囁く。
でも、いまはその言葉に身を委ねてしまう。
だって……どうせ夢なんだから……。

「だから……少しぐらい構わないですよね?
 性に溺れるのは禁じられてますけど、
 これは愛情表現のひとつ、ですから…♪」

ちゅっ…と、わざと音を立てるようにして
菜々美が裏筋に口づけた。
こんな綺麗な女子高生が、僕のペニスにキスしてる。
意識した途端、カウパーが、どぷり…と溢れる。

「あ、教祖様ってば……。
 もう先走り、お漏らしされてます」

また、ちゅ、ちゅっ…と、ついばむように口づけられる。
カウパーが、菜々美の唇とのあいだに透明な糸を引く。
少女の小さくて形の良い唇が、
僕のカウパーで、ぬるぬる、てかてかに汚れてく。
その光景に、さらにカウパーがどくどく溢れる。

「ん……ほんとに、たくさん……」

竿の根元にまで垂れ落ちてきたカウパーを、
菜々美がためらいもせずに舐めとる。
そのまま舌先でなぞるようにして、
竿をゆっくりと撫で上げてく。
舌はあたたかく濡れていた。
夢だとは思えないほどにはっきりした感触。

僕の脚のあいだにかがんでいるせいで、
胸の膨らみも上からはっきりと分かる。
舐める動きにあわせて、胸元も小さく揺れ動く。
それも夢とは思えないほど、生々しい揺れ方だった。

「れろ……ちゅ………ん、ちゅっ……」

竿を上りきった舌先が、裏筋を丹念に舐めはじめる。
背筋はぞくぞくと震えっぱなしで、
カウパーも、ほとんど切れ目なく湧いてくる。
普通なら、とっくに射精してておかしくなかった。
昨日、あんなに何回も菜々美の映像でオナニーしてなかったら
きっともう出してしまってたと思う。

(…ぁ……けど、これは夢なんだから……)

現実の身体がどれだけ射精してたかなんて、
なんの関係もないはず。
昨晩だって、夢の中ではすぐに射精してしまってた。
でも、だとしたら、いまは……一体………。

「ちゅ…ぱ………ふふっ、どうかなさいましたか?
 教祖様、少し心配そうなお顔です。
 安心してください……大丈夫です。
 いまは気持ち良くなることだけ考えてください」

ペニスからいったん唇を離した菜々美が、
上目遣いに僕に微笑みかける。
また透明な糸が彼女の口元とペニスを繋いでて、
喋るたびに、その糸がゆらゆら揺れる。

「そういえば、あの動画……もうご覧になりました?」

「…っ………」

菜々美の真っ白な胸や、ピンクのショーツが、
たちまち思い出される。
あの動画に映ってた可愛くてやらしい女の子が、
いまは僕のペニスを舐めたり、触ったり……。

「あ…♪ 教祖様の、びくーってなりました。
 やっぱりもう見てしまわれたんですね?」

喋りながら、菜々美は垂れてきたカウパーを指でぬぐう。
ついで、それを自分の指に塗り込んでから、
竿をねとねと扱きはじめる……。

「おっぱいとかも、全部見えちゃってましたよね?
 それに……パンツとかも。
 ちょっと恥ずかしいですけど、
 教祖様になら……構いません、ふふっ」

照れくさそうに小さくはにかみながら、
でも菜々美の手だけは、なめらかに動きつづける。
次々溢れてくるカウパーをたっぷり指に絡めて、
にちゅにちゅ…と竿を隅々まで撫で回す。
だんだん射精感がこみ上げる…っ……。

「一度お渡したものですから、
 あれはもう……教祖様のものです。
 お好きに使ってくださいね?
 もし教祖様さえよろしければ、
 その……すっきりなさったり、とかも…♪」

ペニスがいきなり大きく跳ねる。
自分がしでかしてしまったことを、
当の本人に許されたことに身体が反応してしまう。

「わ……おちんちん、喜んでます。
 教祖様なのに、いいんですかー……なんて♪
 いいですよね、たまにそうしちゃうぐらい……。
 どうしても我慢できないときに、一回ぐらい……」

違う。一回どころじゃない。
僕はもう昨日だけで、馬鹿みたいに何度も射精してる。
想像の中でパンツに擦りつけ、おっぱいにぶちまけ、
彼女に抱きついてみっともなく腰を振った。
後ろめたくて、なのに……なぜか快感が膨れ上がる。
精液がどんどんペニスの根元に集まる……。

「今日こうしてることも、
 教祖様の思い出にしていただけたら嬉しいです…♪
 ほら……」

菜々美がふんわりと笑ってから、
空いた片手をスカートの方に伸ばした。
スカートの裾がつままれ、ひらりとめくられる。
ピンクのショーツが見えた。
あの映像と同じ、菜々美のパンツ。

「……ぁ……っ……」

昂りすぎて、喘ぐような情けない声が漏れる。
夢を見てるはずなのに、普通に声が出せる。
……けど、これはぜったい夢なんだ。
頭の片隅に湧いてくる疑念を、慌てて打ち消す。
夢に決まってる……。

ペニスを扱いていた手のひらが開かれて、
今度は鈴口の上に当てられる。
手のひらの中央で、小さく円を描くようにして
ペニスをぬりゅ…ぬりゅ…と擦り回す。

その一方で、スカートがひらひらとめくられつづけ、
ピンクのショーツが視界でちらつく。
その下着にペニスを擦りつけるところを想像してしまう。
さんざんオナニーでも繰り返した妄想だけど、
目の前で実際に下着を見ながらだと、まるで興奮が違う。

「びくん、びくーんって、すごいです……。
 パンツ見えて、嬉しいですか?
 そうですよね。
 普段はスカートに隠れてて……、
 ときどき見えそうなのに、ぎりぎり見えない……。
 そんな女の子のパンツが見えちゃってたら、
 おちんちんが跳ねちゃうのは当然ですね。
 仕方ないこと、ですね…♪」

ショーツを見せつけながら、
菜々美がまるで子供に優しく言い含めるように、
亀頭を手のひらでゆったり撫でる。

「でも、それを言ったら……。
 いつも見えてないところって、他にもありますよね?
 動画ではもう、見られちゃいましたけど…♪」

スカートをつまんでいた手が、するりと胸元に移動する。
片方の胸を上から撫でつけるように触れる。
丸みを帯びた乳房の曲線が浮き彫りになって、
しかも……先端が小さく尖ってた。
ブラを、つけてない。

菜々美の手が、セーラー服の裾に移動する。
あの映像でTシャツをめくり上げたみたいに、
セーラー服がめくられてく。

「……ぁ……ぁ……っ…」

期待で声が震える。
射精感が、ぱんぱんに膨れ上がる。
下乳に引っかかった裾が、さらに上へとめくられる。
真っ白なおっぱいが、たゆん…と服からこぼれる。
同時に、ペニスに不意にまた口づけられて。

「……ちゅ……れろり……♡」

「ひ…ぁ…あぁあぁぁあああぁ……っ!」

鈴口を舐め上げたあたたかい舌の上に、
精液がびゅくびゅくと吐き出される。
菜々美は飲み込もうとしてくれたけれど、
ペニスが暴れ回ってたちまち周囲に飛び散ってしまう。
露わになったおっぱいにも、精液がぼとぼと落ちる。

「……ぁ……あぁ……っ…」

菜々美のおっぱいが僕の精液で汚れてく。
それを見てるだけで、さらにまたペニスが震える。
重く粘ついた精液がどんどん溢れてくる。

「ん……れろ……れろり……ちゅ……♡」

舌が裏筋を丁寧にねぶる。
そのあいだも、おっぱいが視界で踊る。
ときおりピンクのショーツもちら見えする。

ペニスの律動がなかなか終わらない。
また背筋が震えて、菜々美の口と身体に射精する。
性欲も、精液の量も異常だった。
やっぱりこれは夢なんだ。
夢…なら……っ……。

おっぱいに手を伸ばしてしまう。
……なのに。
僕の手は、そっと遮られる。

「ん……れろ……ちゅ……ぱっ……。
 ふふっ、自分から触ったりはだめですよ?」

「そん……な……っ…」

菜々美が口を離したせいで、
残っていた精液がだらりと乳房に垂れる。
少し腰を動かせば、
ペニスでおっぱいに触れることすらできそうだった。
思わず、本当に腰が動く。
でも、ペニスがくっつく寸前でおっぱいが遠ざかる。
届かない。

「…ぁ……どう、して……っ……」

気が狂いそうなほどの焦燥感。
どうして触れないんだ。
夢なのに。
僕の自由になっていいはずなのに。

「だって教祖様なんですから。
 性欲に流されちゃ、だめなんですよ……♪」

ペニスが扱かれる。
残っていた精液がゆっくりと出てくる。
さすがにもう律動も止みかけていた。
信じられない気持ち良さと射精量。
……それなのに、もどかしさばかりが募ってる。
もう一度出したくてたまらない。
それができなかったら、僕は……。

「くすっ……今日はここまでです。
 教祖様もおっしゃってましたよね?
 欲にまみれちゃうと、その行く末は悲惨です。
 そうならないように、続きはまた今度…♪」

菜々美はハンカチを取り出し、
ペニスを軽く拭くと下着の中に戻して、
ズボンのジッパーを引き上げる。
夢にしては、あまりに細かな動作。
だけど、また僕の身体は動かなくなっていた。
大量に射精したせいか、
抗いようのない眠気に襲われる。
夢の中で、また夢に落ちていく……。
 
 
 
     * * *
 
 
 
……そのあと、たっぷり2時間はソファで眠ってから、
僕は目を覚ました。

下着の中は少し冷たかった。
だけど、夢精したにしては臭いはほとんどなかった。

僕の身体には、姉さんが薄い毛布をかけてくれていた。
夢の中にそんな毛布はなかったから、
あれはやっぱり現実じゃなかったんだと……思う。

ただ手足が鉛のように重かった。
頭もくらくらする。
現実に戻ったはずなのに、その実感がない。
深い霧の中にいるような感覚。
そして……いまもなお身体の奥が快感を求めて、
延々と疼きつづけてる……。

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