万引き少女のおままごと(前編)

コンビニで万引きした女の子を脅して犯す。
そんなAVが巷には溢れている。

じゃあ本当にやってみたらどうなるか。
知ってる人はまずいないだろう。
だけど……僕は知ってる。
現実にそれを実行してしまったから。

答えは、その子の玩具にされてしまう、だ。
 
     * * *
 
「ほら、はっきり映ってるよね?」

僕の問いかけに、女の子は消え入りそうな小さな声で答える。

「…………はい」

目の前の小さなモニターには、コンビニの陳列棚に手を伸ばしている少女が映っている。
彼女はボールペンを手に取り、制服のブレザーの内ポケットにしまい込む。
犯行の様子が、これでもかというぐらい鮮明に映っていた。

「とりあえず取ったもの返してくれるかな」

女の子はうつ向いたまま、こくりとうなずいた。
ブレザーの内ポケットに手を差し入れ、もぞもぞと身体を動かす。
制服は、この辺りとしては有名なお嬢様高校のものだった。
田舎で小金を持った人間が、自分の娘を行かせるところだ。
あどけなさの残る顔立ちからして、たぶん今年入学したばかりだろう。

「……これです」

100円のボールペンが未開封のまま取り出される。
お金に困って盗った、とはさすがに思えない。

「他には? ポケットはもう空っぽ?」
「これだけ、です。あとは……携帯しか入ってません」

彼女は薄型の携帯電話を取り出し、机の上に置いた。
態度は素直だし、少なくとも反省はしているように見えた。
警察沙汰にするのはかわいそうかもしれない、とも思ってしまう。

「で、君をどうするかなんだけど」

そう話しはじめた途端だった。
いきなり女の子が声を上げた。

「あ、あの……! ごめんなさい、許してください。
 その魔が差したっていうか、そんなつもりじゃなくて。
 お願いです。誰にも言わないでください」

「そう言われてもさ……」

どう対処したものかと悩んで、僕は言葉を濁す。
正直言って戸惑っていた。
こんなにはっきり万引きの現場を押さえたのは初めてだった。
人の少ない田舎ということもあって、そもそも万引き犯自体が少ない。
そのうえ監視カメラにも気づかない間抜けな子なんて、
最近はまずいないのだ。

「お願いします。私……その、なんでもします、から。
 だからお願いです…………言わないで。
 ばれたら私、きっと怒られて、それだけじゃすまなくて……」

言いながら、なぜか少女はブレザーを脱いだ。
そしてブラウスの胸元をはだけさせ、僕に見せつけてくる。

なにをしているのかと非難するより先に、その白い肌に目を奪われる。
それから遅れて、鎖骨の辺りに走った赤い筋に気づく。
みみず腫れにも見えたけれど、確認する前に少女は胸元を隠してしまう。

「……お願いです。誰にも言わないで。
 私、ひどいことされちゃうんです。痛いの、もう嫌なんです」

虐待、という言葉が脳裏をかすめた。
ついで、この可愛らしい女の子の裸体を想像してしまう。
たくさんの傷跡のついた、それでも美しい身体を。

さっきちらりと見た胸元が、妄想をさらに膨らませていく。
小ぶりだけれど、でもしっかり膨らんだ乳房を押しつぶすように揉み、
乳首をつねって嬌声を上げさせる。
そんな淫らなイメージが湧き上がってくる。

事務室の狭い空間のなかに女の子と二人、という状況のせいだろうか。
この子をかわいそうと思うよりも、
この子を自由に弄んでいるだろう人間への嫉妬を感じてしまう。

「お願いです。……秘密にして…ください。
 言わないでくれるなら、私、なんでも…………」

蚊の鳴くようなかぼそい声だった。
でもその囁き声が聞き取れるほどに、いつのまにか少女は僕に近づいていた。
僕の膝に手をついて、身体を半分こちらにもたせかけてくる。

「お兄さん、若いけど店長さんなんですよね?
 お兄さんが許してくれたら、私、誰にも怒られずに済むんですよね?」

耳元で甘い声が響く。
あたたかい吐息が、耳たぶをじんわりと湿らせる。
僕はすでに勃起していた。

「私、なんだってします。
 言ってる意味……分かりますよね?
 お兄さんにだったら、…なにされても我慢します。
 あの人たちにいじめられるぐらいなら……どんなことでも、します」

彼女の太ももが、僕の膝にこすれる。
手のひらが膝からすべって、股間をそっと抑えつける。
とっさに唇を噛んで、射精しそうになるのを我慢する。

「ここ……苦しいんですよね?
 いいですよ、私が楽にしても。そんなことなら、いくらだって。
 お兄さんが一言、私に言ってくれたら。
 私にして欲しいこと言ってくれたら、なんだってします」

ぐにぐにと、少女の手が絶妙な力でペニスを押してくる。
そんなわずかな力だけで、いまにも絶頂に達しそうだった。
だけど僕の限界を感じ取ったかのように、
すんでのところで彼女は身を引く。
少女はパイプ椅子に座りなおして、うるんだ目で僕を見る。

「教えてください。私……どうすればいいですか?」

なにもかもが上手くいきすぎている、と思った。
こんな夢みたいな、都合の良いことが起こるなんてありえない、と思った。
まるでAVで観るみたいな、自分の快楽のままに女の子を犯しつくすような、
そんな素晴らしいことが起こるなんて、出来すぎてる。

……でも、ありえない話じゃない。
普通ならありえないけど、でも彼女は虐待されてるみたいだし、
だから、自分の身を守るためならなんでもするかもしれないし。
それにそういう環境で育ってる子なら、
従順になんでも言うことを聞いてくれるだろうし、きっと。
きっと、僕の欲望を自由に吐きだせるペットに。

「…………僕と、セックスしろ」

低い声で、でもはっきりとそう告げた。
少女はわずかに目を見開いてから、こくん、とうなずいた。

自分の頬がゆるんでいくのが分かる。
でも、とてもじゃないけど自分を抑えられない。
いま店内にいるのは、アルバイトの女の子一人を除けば自分だけだ。
そのアルバイトも、次の休憩までには一時間以上ある。
つまり……いますぐにもこの事務室でこの子を犯せる。

「じゃあ、服……脱ぎます。
 え、と………恥ずかしいから、目つぶっててもらえますか?」

だらしなく笑いながら、僕は目を閉じる。
まぶたの向こうで、衣擦れ音が聞こえる。
どんなことをしようかと、いやらしい想像ばかりが浮かんでくる。

ピロリン、と場違いに可愛らしいメロディーが響く。

思わず目を開けた。
視界いっぱいに、携帯の液晶画面があった。
そこには「送信完了」というメッセージが映っている。

「これ……なに?」

問い返すと、少女は悪魔のように微笑んだ。

「メール、送ったんです。それもとっておきの音声付き。
 お兄さんが、私にセックスしろって言ったのの録音、添付しておきましたから」

血の気が引いた。
指先が急に冷たくなる。
なぜ? どうして? だまされた?
頭のなかで疑問符のついた言葉が飛び交う。
でも、なにより。

「ど、どこに……誰に送ったの? ねえ?」

我ながら情けなくなるほど、その声は哀れだった。
たぶん他人から見たら、それは滑稽以外の何物でもなかったんだろう。
少女はいきなり吹き出した。

「くふっ……! お兄さんってば、『ねえ?』はないですよ。
 ふふふ……あははっ…! そんなにびっくりしたんですか、あはっ…」

女の子はひとしきり笑ってから、再び口を開いた。

「あんまりみっともなかったから、逆に教えてあげます
 いまのメール、私のお母さんの携帯に送ったんです。
 お母さん、あのメールに気づいたらどう思うかな?
 自分の娘が脅迫されてたなんて知ったら、たぶん怒り狂いますよね。
 お兄さんは間違いなく訴えられて、まっとうな人生はおしまいです」

地面に頭を叩きつけられたような感覚。
どうしようもない、という思いと、どうにかならないか、という思考が
ぐるぐると渦を巻く。

「早まって私を殺そうとかしちゃだめですよ。
 私のお母さん、あんまり携帯さわらない人なんで、
 たぶん夜まではメール気づいてませんから。
 今ならまだ、私が家にもどって先にメールを消せば間に合います。
 でも私を殺したら、どうしようもなくなります。
 ……あ、それからもう分かってるとは思いますけど、
 虐待されてるっぽいのもぜんぶ嘘ですから」

少女は再びブラウスのボタンを外すと、さっきの傷跡を見せつけてくる。
よく見ればそれは、口紅かなにかでなぞっただけの跡だった。

「こんなのでだまされるなんて、ある意味すごいですよね。
 それとも私が演技力あるのかな?
 といっても、お兄さん相手じゃ、大した演技力も必要なさそうでしたけど」

「なにか恨みでも……あるの?」

「いえ、恨みとかは全然。
 ただいつもお店の前を通るたびに、
 間抜けそうな人が店長やってるなって思ってたので。
 ちょっと遊んでみたかったんです」

少女は最近出たゲームの話でもするように話す。
そのあっけらかんとした話しぶりが、かえって恐ろしかった。

「にしても、お兄さん本当に情けない人ですね。
 あんなにすぐだまされて、あんなに簡単に欲望に流されて」

笑いながら、少女はさっきの録音音声を携帯で再生する。
セックスしろ、と告げる自分の醜い声が何度も流れる。

「………やめてくれ…!
 もういいだろ、警察でもなんでも連れて行ってくれ。
 どうにでもしてくれ…!」

「じゃあ、お人形さんになってもらいましょうか」

「…………人形?」

その単語の唐突さに、言葉を失った。

「そう、お人形さんです。
 私の言うことをなんでも聞いてくれて、
 私が思い通りに遊ぶできることのできる大きなお人形。
 お兄さん、なってくれます?」

それは人形というよりは、もはや奴隷とか、召使いとか、
そういうものに近いんじゃないだろうか、と思った。
でも少女が怖くて、反論することもできない。

「私、小さいときから、おままごとが大好きだったんです。
 役を決めて、自分の思いどおりに誰かを動かすのって、
 楽しくてたまらないんです。
 お兄さん、私と一緒に遊んでください。……ね?」

ね?と可愛くおねだりされても、簡単にはうなずけなかった。
だってそれは、彼女の玩具にされる、というのと同じ意味だから。

僕の表情が強張っているのに気づいてか、
少女はふんわりと優しく微笑んだ。

「大丈夫、お兄さんにだって、いいことはあるんですよ?
 お人形さんは、毎日きちんとお手入れしてもらえるんです。
 汚れが身体に溜まらないように……」

言いながら、彼女はスカートの裾をわずかにずらしていく。
柔らかそうな両ももが露わになる。
きめ細やかな肌が、蛍光灯の光を跳ね返している。
指で押したなら、ぷっくりと弾き返してきそうな弾力。

「お兄さんの汚いの、出してしまいたくないですか?
 身体のなか、きれいにしてほしくないですか?
 ねえ、お人形さんになりましょう。
 ……嫌ですか?
 だったら、お人形さんのかわりにぬいぐるみじゃダメですか?
 たとえば、お庭で飼われてる大きなワンちゃん役、とか」

黒いスカートが引き上げられるたびに、少しずつ理性が遠のいていく。
白くて柔らかい肉にむしゃぶりつきたくて、たまらなくなっていく。

「ねえワンちゃん、美味しいご飯、欲しくないですか?」

少女は「お手」とでも言うように、手を差し出した。
僕は無意識のうちに、そこに手をぽんと置いてしまう。
彼女はそのまま手を引いて、僕を床へと導いていく。

気づけば、僕は床に四つんばいになっていた。
目の前に、少女の美しい両脚がある。

「さ、舐めていいですよ。私のペットさん」

唾を飲み込む音が、頭のなかで大きく響く。
舐めたい。舐め回したい。
この清楚で淫らな、矛盾するほどにいやらしい身体を感じつくしたい。
だけど、それをしてしまったら、もう。

「……おままごとしてくれないなら、
 お兄さんなんて、いりませんよ?」

その一言が、最後の後押しだった。

僕は彼女の右膝に口付けた。
そのまま舌と唾液で膝を濡らしながら、
少しずつ顔を両もものあいだに進ませていく。
内ももに吸いつき、ちゅうちゅうと音を立てながら柔肉をむさぼる。

彼女の脚が少しずつ開いていく。
スカートのひだが持ち上がり、
奥に隠されていた淡いブルーの下着が見える。

ペニスがズボンのなかで限界まで膨らんで苦しかった。
だけど、このみずみずしい太ももから唇をはなすことができない。
口づけを続けながら、それでもなんとかペニスを取り出す。
触れてみると、すでにカウパーが肉棒の側面まで垂れていた。

「あはっ……おちんちん、もうビショビショじゃないですか。
 お兄さん専用のペットフード、気に入ってくれたみたいですね。
 さ、いいですよ、もっと奥の方まで味わっても」

うながされるままに、少しずつ両脚の奥へと近づいていく。
さらに太ももがすべすべになり、唾液が肌の上を滑り落ちていく。
しだいに、股間から淫猥な匂いが漂ってくる。

僕の鼻がスカートの布地を持ち上げる。
さらさらとした肌触りの良い布が、顔をそっと撫でていく。
そんなささやかな刺激なのに、僕の全身ははげしく震える。
スカートの裾が、今度は頭上からおりてきて、耳のふちを優しくなぞる。
それだけでペニスが痙攣して、射精していると錯覚しそうになる。

そしていよいよ下着に鼻先が触れようとして、
でもそこでおあずけの命令が出される。

「はい……そこまで。ダメですよ、お兄さん。
 そんなに鼻息荒くしちゃ、こそばゆくてたまりません。
 それから、おちんちんから手も離してください。
 わかってます? ……これはおままごとなんですから。
 ちゃんと、ルールに従って遊びましょ」

少女の両脚が僕の頬を挟みこみ、そのまま頭が持ち上げられる。
スカートの布地がまた顔をざらりと撫でていく。
上を向くと、自然と少女の胸に視線が行った。
控えめで、でもたしかにブラウスを押し上げている膨らみを、
下からじっと見つめてしまう。

「これはおままごとですから、普段の生活にあったことをしないと。
 ほら、犬さんって、なにをするんでしたっけ?
 なにか、ぴちゃぴちゃ舐めるものがありましたよね?」

「……あ………ミル、ク?」

「うん、そうですね。おりこうさん。
 それで、犬になってるお兄さんが欲しいミルクは、どこですか?」

疑問形で喋りながらも、彼女の目はすっかり答えを知っていた。
それ以上はなにも言わず、少女はブラウスのボタンをひとつずつ外していく。
やがてゆっくりと前が開かれる。
パステルブルーのブラジャーに包まれた、形の良い胸が見える。
そして少女は後ろ手にホックを外し……乳首までぜんぶ丸見えになる。

「さ、お兄さん。もう一回聞きますよ?
 私のお人形さんに……いつだって、どこでだって、どんなことでも聞いてくる
 素直で従順なお人形さんに、なってくれますか?
 なってくれるなら、美味しい美味しいミルクをあげます。
 私の乳首をちゅぱちゅぱって吸いながら、
 とっても気持ちのいい射精をさせてあげます。
 ……どうします?」

きれいな赤に染まった乳首が、みずみずしい果肉みたいに見える。
吸いつきたくてたまらない。
ペニスが脚のあいだでひくつき続けていて、痛みすら感じる。
射精したくてたまらない。

むずかしく考えることなんて、ない。
だってどうせ、僕の人生はもう彼女に握られてしまったのだから。
抵抗して生きるより、なにもかも委ねてしまった方が、ずっと楽になれる。

身体を起こして、少女の膝に手をつく。
そして首をぐっと前に突き出して、彼女の胸に顔を近づける。
少女が僕の頭をそうっと抱え込む。
彼女の白いブラウスが、頭をすっぽりと覆ってしまう。
見えるのは、ほんのりと汗ばんだ肌と、やわからな肉の膨らみと、
それから赤らんだぷっくりした乳首と。

ちゅうぅっ………!

気がついたときには、唇が彼女の胸の先に吸いついていた。
当たり前だけど、そこから母乳が出たりはしない。
でも、そんな些細なことはどうでも良かった。
こんな可愛い女の子の胸に顔を押しつけて、その先端をむさぼってる。
彼女の人形になって、犬になって、奴隷になって、
その身体に甘えさせてもらっている。
そのことがどうしようもなく気持ちいい。

「これで、お兄さんは私のお人形さん、ですからね。
 24時間、ずうっとそのこと忘れちゃダメですよ。
 そのかわり……今日は特別に、私が直接触ってあげます」

亀頭に彼女の指が触れた。
途端に全身が跳ね上がって、思わず僕は彼女の腕にしがみつく。
気持ちよすぎて、脳が溶けてしまいそうで恐かった。

「わがままなお人形さん。
 いっぱい触ってほしいのに、触られると怯えちゃうんですか?
 本当は叱るところですけど、今日は許してあげます」

今度は竿の根元からゆっくりと、這いずるように指が伸びてくる。
カリ首に触れそうになって、そこでまた下へと降りていく。
上下に何度も、快楽を溜めるみたいにして優しくなぞられる。

「お口がだらしなく開いてますよ、お兄さん。
 喉、渇いてたんですよね?
 見知らぬ女の子にちょっと誘われただけで、
 セックスしろとか口走っちゃうぐらい、飢えてたんですよね?
 だったら、もっとしっかり吸っておきましょうね」

女の子の左腕が、僕の頭を抱え込む。
口元いっぱいに、彼女のおっぱいが押しつけられる。
甘酸っぱい、どこか柑橘系の果物を思わせる匂いが広がる。
形をたしかめるように、舌で丹念に乳首を舐める。
ほんの少し、その突起が固くなっていくのを感じる。
もっと味わっていたい、この子に触れていたい……でも。

「ふふ、もうイッちゃいそうですか?
 年下の女の子のおっぱい舐めながら、おちんちんをさすさすされて、
 だらしなく射精しちゃいそうなんですね。
 ……いいですよ、我慢しないで。
 でもちゃんと、最後の最後まで気持ち良さを感じた方がいいですよ?
 私がこんなに優しいことなんて、もう二度とないかもしれませんから」

その言葉は嘘じゃないだろう、と直感的に思った。
人形の僕がこんなふうに甘えられるのは、滅多にない幸運なのだから。

快感が腰から頭に何度も突き抜けて、まともに呼吸ができない。
それでも必死に、僕は舌を伸ばして、
本当に犬っころみたいに少女の乳首を舐めあげる。

彼女の右手の動きが早くなる。
カウパーを手のひらいっぱいに塗りたくりながら、
カリ首の周りをぎゅうぎゅうとと搾る。
僕は小さな彼女の腕に抱かれたまま、胸の先端を舐める。
唾液が糸を引いて、てらてらと光る。
ペニスの表面がぬるぬるで、あったかくて、とろけて。

射精した。思いきり射精した。
がくがくと身体が震えて止まらない。
精液が彼女の手にかかるのが分かる。
黒いスカートの上にも、脱ぎ捨てられたブレザーの上にも、
すべてに白くどろどろの精液が降りかかる。

頭の中まで精液がこぼれてしまったみたいに、
脳がたぷたぷと揺れている。
爪と爪のあいだまで、身体中のすべてに快楽が詰まって、
それがゆっくりと流れ落ちていくみたいだった。

長い射精のあとで、僕は床に落ちている学生証に気がついた。
そこに映った少女の頬にも、白い液体がぷかりと浮かんでいた。

だけど女の子がそれを拾い上げると、
透明なプラスチックケースの外側で、精液はあっけなく滑り落ちた。
少女は妖しく微笑んで、その学生証を僕に見せた。

「これが、お兄さんの持ち主の名前、です。
 覚えておいてくださいね」

……こうして、僕は鈴音の人形になった。

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